この記事の読みどころ

相場が急落した1月20日、日本郵政グループ3社の一角であるゆうちょ銀行の株価が売出価格を下回りました。

民営化に伴い政府保有株式が売出されたのは、1987年のNTTを皮切りに数多くありますが、そのほとんどが上場後に少なくとも一度は売出価格を下回っています。

唯一の例外はJR東海で、一度も売出価格を下回ることなく、好調な株価パフォーマンスを続けています。2016年度に上場が見込まれるJR九州への追い風になるかもしれません。

急落した1月20日の株式相場

2016年1月20日(水)、この日の東京株式市場は急落となりました。日経平均株価の終値は前日比▲632円下落(▲3.7%下落)し、16,000円台割れも懸念される事態に陥ったのです。引け後のニュースでも、この株式相場の大幅下落が大きく報道されていました。

結果的には、翌21日に16,000円割れ寸前まで下落したものの、週末22日には大幅反発となり、その後も一進一退が続いているように見えます。

ゆうちょ銀行の株価が売出価格を下回る

さて、話は1月20日に戻ります。この日のニュースではあまり報じられなかったのですが、株式相場では1つの出来事がありました。

それは、昨年11月4日に華々しく上場した郵政グループ3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)のうち、ゆうちょ銀行(7182)の株価が売出価格(1,450円)を下回ったのです。

ゆうちょ銀行を含めた3社は、上場日には売出価格を大きく上回る初値が付き、その後も堅調に推移していました。しかしながら、今回の相場下落局面において、3社の一角であるゆうちょ銀行は、ついに売出価格を下回ったのです。

なお、その後も株価下落が続き、翌21日は1,407円まで下落しましたが、現在は1,500円付近に回復しています。

多くの民営化企業は、上場後に売出価格を下回る安値を記録

今回の郵政グループ3社のように、民営化に伴って政府保有株式が売り出されたケースがいくつかあります。バブル期に売り出されたNTT(9432)を皮切りに、JR東日本(9020)、JT(2914)、JR西日本(9021)、JR東海(9022)、NTTドコモ(9437)、J-Power(9513)が株式上場を果たしました。

こうした民営化企業は、それぞれによって違いはありますが、上場時は売出価格を上回る初値が付くなど人気が出るパターンが多く見られました(一部例外あり)。しかし、その後は利益確定売りや相場環境の変動等により、売出価格を割り込むケースがほとんどです。

割り込むどころか、最安値が売出価格に対して▲70%以上の下落になったNTTを始め、▲40%以上下落したケースも少なくありません(株価騰落率は上場後に実施された株式分割等調整後の終値ベース。以下同)。

唯一の例外はJR東海。株価は売出価格の最大6.5倍に上昇

前述した民営化企業の中で、株価が一度も売出価格を下回っていないのがJR東海です。上場時の初値は売出価格を若干上回る程度に留まり、お世辞にも人気沸騰というスタートではありませんでした。しかし、売出価格が意外に安くなるなど“発射台”が低かったことを勘案しても、一度も下回っていないというのは称賛に値します。

なお、2015年3月19日に付けたJR東海の上場来高値(ザラバ)24,800円は、売出価格の約6.5倍に該当します。現状株価はやや下がって21,000円前後ですが、それでも民営化企業の中では圧倒的なパフォーマンスを誇っています。好調な業績に加え、中央リニア新幹線などの好材料もあり、成長株として評価されているのでしょうか。

ちなみに、JR東海ほどではありませんが、JR東日本やJR西日本も比較的良好なパフォーマンスを維持していますが、最安値を付けた際には、売出価格を大きく割り込みました。

JR東海の好調な株価パフォーマンスは、JR九州の上場に追い風となるか?

そして2016年度には、民営化企業の最後の大型IPOと言われるJR九州の売出しが実施される見込みです。既に売出しの幹事証券会社が選定されるなど、着々と準備が進んでいます。

JR東海のような超お宝銘柄になるのか、それとも、期待外れに終わってしまうのか、今から興味が尽きません。2016年の株式市場では「九州」が大きなテーマになるかもしれません。

参考:JR東海の過去10年間の株価推移

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制作:NP・UX推進室

 

LIMO編集部