株式市場の振り返り-日経平均株価は4日ぶりの反落、売買代金は5日連続の2兆円割れ

2019年6月12日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,129円(▲74円、▲0.4%) 4日ぶり反落
  • TOPIX 1,554.2(▲7.1、▲0.5%) 4日ぶり反落
  • 東証マザーズ株価指数 901.9(+0.8、+0.1%) わずかに4日続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:717、値下がり銘柄数:1,329、変わらず:95
  • 値上がり業種数:10、値下がり業種数:23
  • 年初来高値更新銘柄数:70、年初来安値更新銘柄数:9

東証1部の出来高は10億5,678万株、売買代金は1兆9,169億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。増加はしたものの、米中貿易交渉を含め、特段目立った材料に乏しい中で投資家の様子見スタンスが強まりました。

売買代金は5日連続で2兆円を割り込む薄商いとなっています。5日連続の2兆円割れは今年初であり、昨年8月以来となる約10カ月ぶりの閑散相場だったと言えましょう。

そのような中、日経平均株価は方向感に乏しい値動きとなりました。寄り付き直後に一時▲85円安まで下落した後、前場の半ばに一時+55円高へと切り返す場面が見られました。その後はやや膠着状態が続きましたが、後場の半ばからマイナス圏に沈み、そのまま4日ぶりの反落で引けています。最後は日中安値に近い水準まで下落したようです。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日ぶりの反落となりました。

東証マザーズ株価指数はかろうじて4日続伸、売買代金は7日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,665万株、売買代金959億円となりました。出来高は前日より減りましたが、売買代金は横ばいでした。個人投資家の物色意欲はまだ本格回復には至っておらず、売買代金は7日連続で1,000億円を下回っていますが、閑散相場という状況からは脱したようです。

また、株価指数もほんのわずかに上昇し、これで4日続伸となりました。このまま900ポイント台定着となるかは、個人投資家の物色意欲回復次第と言えそうです。

任天堂が一時▲4%安に迫る大幅下落、トヨタ自動車はコツコツと7日続伸

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)や東京エレクトロン(8035)など指数寄与度の大きい主力株が大幅安となり、花王(4452)や資生堂(4911)といったディフェンシブ銘柄も大きく値を下げました。

また、先週から買い戻し基調が続いていたハイテク株にも売りが優勢となり、ソニー(6758)、TDK(6762)、ローム(6963)などが冴えない値動きとなり、連日で年初来高値を更新していた日立製作所(6501)も反落となっています。

その他では、任天堂(7974)が一時▲4%安に迫る大幅下落となり、みずほフィナンシャルグループ(8411)など銀行株や、野村ホールディングス(8604)など証券株も売られました。

一方、ファーストリテイリング(9983)が急反発し、日本ハム(2282)は3日連続で年初来高値を更新しました。

また、総じて売られたハイテク株の中でNEC(6701)が再び年初来高値更新となっています。さらに、自動車株ではトヨタ自動車(7203)が堅調に推移し、これで7日続伸となったことが目を引きました。

新興市場(東証マザーズ)では、6月21日から東証1部へ指定替えとなった串カツ田中ホールディングス(3547)が続伸となり、メルカリ(4385)も3日続伸となる堅調な値動きとなりました。一方、ユーザベース(3966)が急落し、ウォンテッドリー(3991)やシルバーライフ(9262)も大幅安となっています。

葛西 裕一