続いてもスーパーで働くAさんの話です。Aさんが店内の事務所でちょっとした事務作業をしているとき、店員の1人が駆け込んできました。事情を聞くと、「アルバイトの子のミスにつけ込み、割引を求めてくるお客さんがいる」とのこと。さっそくAさんは現場に向かいました。すると、アルバイトの女子学生と長年勤務しているパートの女性が1組の夫婦と何やら揉めている様子。
詳しく事情を聞くと、アルバイトの女子学生が1品多くレジを打ってしまったのだそう。バラ売りされている野菜の数え間違いで、1つ多く計上してしまっていたんですね。それを見つけた夫婦が、アルバイトの女子学生に「このミスのせいで迷惑を被った。今日の買い物を30%オフにしろ」と詰め寄ったのだそう。
もちろん、野菜の数え間違いはその場でベテランのパート従業員に連絡し、訂正処理をしてお客さんへ返金していました。しかし、その対応だけでは納得いかないと言うのです。
そこからはAさんにバトンタッチ。Aさんは夫婦に「お買い上げいただいたすべての商品の合計金額から30%の割引対応はできない」ことをゆっくり説明し、そのうえで次回以降使えるクーポン券を渡してその場を収めることに成功しました。「こちらにも落ち度があるので丁重にお詫びし、そのうえで返金すべき金額は返金した。せめてもの気持ちとして、クーポン券を渡してなんとか事なきを得た」と話してくれました。
「かわいいね、いくつ? 仕事終わったら連絡して」と絡む男性客
接客する女性スタッフをナンパしようとするお客さんもいますよね。その対応に、ある洋菓子店で働くBさんは困っていました。「私ならば毅然とした態度でお断りもできるが、学生のアルバイトの子だと戸惑ってしまう。はっきり断ろうと思っても、自分のほうが年齢が若いので申し訳ないと感じるらしく、毅然とした態度になれずにお客さんがしつこく迫るケースが多い」とのこと。
Bさんは普段から若い女性アルバイトばかりを配置せず、自分かもう1人のベテランの女性と一緒にシフトに入れるようにして極力ナンパされにくい環境を作っていると言います。
しかしそれでも「仕事終わったら連絡して」と連絡先を置いて帰る男性客がいるため、見つけたらすぐに後を追い、「個人情報ですのでお受け取りすることはできません」とお返ししているとのこと。「一応個人情報なのでお店での処理に困るし、今後その人はナンパしづらくなるので一石二鳥だと思う」と話してくれました。
まとめ
いかがでしたか。様々な状況に対応しなければいけない接客スタッフは大変な仕事ですよね。そうした職場で懸命にはたらく人たちを見ると本当に頭が下がる思いです。お客だからというだけで粗暴な言葉になったり、自分の意見を押し付けたりするような話し方はNGですよね。私たちもそういう人にならないよう気を付けたいものです。
大塚 ちえ