昨今は女性の社会進出が目覚ましいと言いますが、本当にそうでしょうか。確かに、働く女性は増えているのかもしれません。しかし、実際のところはまだまだ「女性にとって働きにくい環境」であり、真の意味で”女性活躍”が進んでいるとは言えないのではないでしょうか。今回は3人の女性に、働きにくさや男性との差を感じる瞬間について聞いてみました。

共働きなのに妻ばかり子育てを負担

あるネット証券会社に勤務するAさんは、ペアで働いている先輩の女性社員がいつも育児の負担を負っていることに疑問を感じると言います。

子どもの急な発熱やケガなどで保育園から呼び出されたり、小学校に迎えに行ったりしなければならないということは少なくありません。子どもの体調は変わりやすく、朝は元気に登園したと思っても途中で熱が出たり、具合が悪くなったりするもの。それ自体は仕方ないことなのですが、Aさんはそのケアをいつも「ママばかり」が担うことに疑問を感じているのだと言います。

「保育園からの電話はママである先輩にかかってきて、いつもこちらが申し訳なくなるほど周囲に謝って子どものお迎えに行く。たまに旦那さんに連絡してお願いしているようですが、仕事を抜けられないと毎回断られていて、『夫がお迎えに行ったことは1回もない』と言っていました」と話すAさん。

確かに、それではあまりに理不尽ですよね。そもそも子育ては夫婦でするもの、そして夫婦共働きの場合は必ずどちらかが子どもを迎えにいかなくてはならないのですが、その負担が女性側にばかりかかるのも納得できない話です。

日本社会では、男性が子どもを迎えに行くという習慣があまりないからかもしれませんが、そんな世間一般の話をしてもしょうがないですよね。自分にとって問題になっているのは、自分自身の家庭の話であって他人の家庭がどうであるかは関係ないのです。

また、同じ会社で働いている場合は男女で有給休暇の日数が違うわけでもないので、女性ばかりが一方的に子どもが原因の早退や休暇を取得しなければならないのも腑に落ちない話なのではないでしょうか。

セクハラにおびえる男性社員の態度に疑問

あるIT企業で働くBさんは、上司の扱いに男性との差を感じると言います。Bさんの働く会社では、セクハラやパワハラに関する研修が多く、男女ともにハラスメントには敏感な様子。とりわけ部長や役員などのマネジメント層は、女性に対する接し方が「まるで腫れ物を触るよう」だと言います。

Bさんは、ある男性社員が「昇進したいなら女性社員と距離を置いたほうがいい」と話しているのを聞いたことがありました。その男性社員は、女性社員に下手にかかわるとセクハラやパワハラだと告発されてしまい、社内で居場所がなくなるどころが昇進昇格に響くので、深くかかわりあいにならないほうがよいと主張。その場にいたほかの男性社員たちも特に反論などはなく、浅くうなずくだけだったそう。

「そういう意識がほかの社員にもあるのか、どう頑張っても部長の飲み会に誘われるのは男性社員だけ。『早く帰りなさいね』と優しく言われて置いてけぼりになるのも悲しい」とBさんは嘆きます。

そもそもセクハラやパワハラをしなければいいだけで、女性社員を自分たちから遠ざけるのは根本的な解決方法とは言えませんよね。また、男女にかかわらずセクハラやパワハラはNGであると同時に、厄介者扱いされるのは誰だっていやなもの。「置いてけぼりにされるのに、部長は男性社員と仲良くなっていくし、昇進昇格したり評価してもらったりするのは部長と親しい男性社員ばかり。飲みニケーションというやつなのかな」とBさんは悔しそうにしていました。

Bさんたち女性社員には落ち度がないにもかかわらず、このような扱いをされるのは本当に悔しいでしょう。男性社員のさらなる意識改革がすすみ、早くこうした現象が解消されることを願うしかありません。

育休を取ると元の部署に戻れない