Sさんだけではありません。スピリチュアルにハマったママ友が周りにいる…という人は、巷に結構いるのです

・私のことを勝手に「ソウルメイト」と呼び始めて、やたらヒーリングのワークショップに誘ってくる人がいる

・娘の幼稚園の保護者にひとり、同じ園児のママから上手く悩みを聞きだして、「今度タロット占いしてあげるからうちにいらっしゃい」と声をかける人がいる。素直にお家を訪問したら、占いの後、セミナーに参加するようにしつこくすすめられるらしい

・公園仲間のママ友が、ある日「龍が見える」とか言い出して困惑した

・子どもの風邪を、病院ではなくヒーリングで治した、という人がいた。いや、それ自然治癒だと思う…と誰もが心でツッこんでいた

スピリチュアルに興味を持ち、またその力を信じるのは決して悪いことではありません。パワーストーンだって、自分の自由になるお金の範囲で、「縁起もの」として購入するぶんには問題ないですし、パワースポットに出かけて、なんだかリフレッシュできた…それも大いに結構。ただ、自分の財力の範疇を超えたお金をつぎ込んだり、周りの人に自分の考えを強要したりは考えもの。

そもそも幸せとは自分で決めるものであって、他人が決めるものではない。ましてや「こうすればあなたは幸せになれますよ」「こういう考え方をすれば今よりもっといいステージへと進めますよ」なんて、他人が言うことではないのです。

…わかってはいるけれど、Sさんの友だちのように心身が弱っているときには、そんな言葉が救いのように感じる、ということもあるよう。そう考えると、周りにスピリチュアルを執拗にすすめてくる人は、人の迷惑を顧みない加害者であると同時に、弱みに付け込まれてしまった被害者でもあるのかもしれません。

「興味がない」と断ることが大事

スピリチュアルに限った話ではありませんが、興味のないことに、さも興味のあるふりをして「すごいわね」「面白そうね」なんて話を合わせても、決していいことにはなりません。言葉は悪いですが、相手によっては「いいカモが出てきた」なんて心の中で舌舐めずりをしている可能性も。

「でも、スピリチュアルな話をしてくる以外は良い人だから」なんてお人よしもやめたほうが無難です。本当にあなたのことを思っているのなら、あなたが興味ないことを無理矢理押しつけようとしませんよね。執拗にすすめてくる人とは、思い切って距離を置くようにしましょう。

大中 千景