投資に興味があるという方でも「リスクが怖い」という方もいるのではないでしょうか。ただ、一口にリスクといっても実は様々です。リスクも見方によってリスクの性格が異なります。今回は、リスクにはどのようなものがあるのかを整理してみましょう。

もっともなじみのあるリスクとは

マーケット・リスクは投資家にとって最もなじみのあるリスクではないでしょうか。これは、株価や金利をはじめとした市場価格が変動するリスクです。

「株価が毎日動くのは当然だ」と投資家は分かっていても、投資をしたことがない人からすれば、価格が動くこと自体が非日常的だといえるのではないでしょうか。慣れていないと誰しも「怖い」という感情を抱いてしまいます。

これはちょうど「100円の回転寿司は安心してお店に入ることができるが、時価でお寿司が提供されるお店には入りづらい」という感覚にも似ているかもしれません。毎日、同じ価格の商品が提供される一方で、おおよその値段の幅は分かっているものの、事前には分からないことによる不安感があるというケースの比較です。

毎日価格が変動するのを見ているのは苦痛だという人は、投資には不向きかもしれません。とはいえ、マーケット・リスクから完全に開放される人は少ないのではないでしょうか。

たとえば、ガソリンの値段も、原油価格や為替レートで決まります。輸入に頼っているガソリンは、円安になればガソリンの値段は上昇し、円高になれば下落する傾向にあります。投資の世界を離れてもマーケット・リスクから無縁であるというのも難しいというのが実情です。

買いたくても買えない、売りたくても売れない

「流動性」という言葉はあまり一般的な用語ではないかもしれません。流動性とは、買いたいときに買える、また売りたいときに売れる度合いを言います。「流動性がある」といえば、買いたいときに買え、売りたいときに売れる状態を言います。一方で、「流動性がない」といえば、買いたいときに買えず、売りたいときに売れない状況を言います。

先に見たマーケット・リスクも投資家には大事なリスクですが、実は流動性リスクも投資家は十分に注意する必要があります。

たとえば、新興株などは値動きが良い銘柄も大きく、投資をしたいという方も多いでしょう。しかし、そうした銘柄の中には日々の出来高が少ないということも決して少なくありません。

ベンチャー企業の斬新な商品や新サービスなどはニュースとして取り上げられることも多く、ニュースとして注目されている間は出来高とともに値を上げ、株を買いやすい状況は一時的にあるかもしれません。

しかし、普段そうしたニュースがない場合に、出来高が少ないケースには注意が必要です。一旦購入した株をいざ売ろうとすると、「流動性がない」場合には、売りが売りを呼び、大きく値を下げてしまうからです。

投資をする際には、平時の1日の出来高と株価を掛け合わせて、どれくらいの規模の資金が取引されているかを確認する必要があります

物価は安定しているもののやはり気を付けておきたい

デフレが長らく続いた日本でインフレ(物価上昇)といわれてもピンとこない人もいるとは思いますが、特に債券投資はインフレとの戦いです。

債券投資は種類にもよりますが、一般的に、決められた期間の投資をすることで、決められた金額を利子とともに返済してもらうということになります。

では、債券に投資をしている間に大きく物価が上昇してしまうとどうなるのでしょうか。これは極端なケースで考えるのが分かりやすいかもしれません。物価の上昇率が金利を大きく上回る環境で考えみましょう。

債券投資で年間10%の利回りがあるとします。一方で、物価上昇率が20%だとどうでしょうか。モノの値段は20%上昇しているのにもかかわらず、この債券投資では10%しか資産が増えないということになります。

このケースでは、投資をしておきながら、そのリターンが物価上昇率を超えていないということになります。こうした物価上昇は、債券を通じて資金調達をする側からすれば、物価に対して借入金が目減りしているとも言いえるのでメリットがありますが、投資家からすればデメリットといえます。

日本で急激な物価上昇は考えにくいかもしれませんが、インフレ・リスクというのは投資の世界では頻繁に話題に上るリスクの一つです。

まだまだあるリスクの種類

ここまで投資の際に抑えておきたい3つのリスクについて見てきましたが、これら以外にも取引相手が倒産してしまう「信用リスク」などがあります。

「リスクを考えだしたら何もできなくなった」という方も出てくるかとは思いますが、リスクがどれくらいの頻度、大きさで生じるのかということも併せて考える必要があります。リスクが何もないという環境は現実的ではありません。

また、現金だけを保有していたとしても、インフレが起こると実質的な購買力は下がってしまいます。ですので、リスクを認識したうえで、上手にリスクと付き合っていきましょう。

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mattoco Life編集部