しかし、新卒で入社した会社が大きな会社であれば、同期のネットワークもあるでしょうし、配属先の先輩や上司とのつながりも残っていることが多いというのも事実です。

実は、現在でも最初に入社した国内の金融機関の同期とは仕事の話も相談できます。あらためて思うのは同期が多い会社に入るというのは新卒で就職先を決めるときには重視してもよい要素かなと社会人になって思います。

また、当時の上司はその後出世して役員になっている人もいますし、転職をした企業で出世している人もいます。そういう人たちも会ってくれ、仕事の話にまで広がることもあります。

3年で辞めるは前向きな転職になる時代か

3年で辞めるということは、「辛抱の足りない若者が転職を繰り返していく…」というような文脈でも語られることも多いです。

しかし、終身雇用の維持も難しいという企業側の声も大きくなる中、会社に新しく入ってくる者、会社から出ていく者の扱い方に関して、職場を含めて見直していくべきタイミングになっているともいえるのではないでしょうか。

終身雇用が今後じわじわと崩れていく中で、「入社3年で転職」というのは当たり前になっていくかもしれません。それも後ろ向きの転職というよりは、雇用がさらに流動化するという意味での前向きの転職です。終身雇用の在り方が壊れていくのだとすれば、転職経験がないということ自体が、採用する企業側からむしろ「なぜ」と問いかけられるような時代へと進んでいくのかもしれません。

青山 諭志