最近では、東京など大都市部では、オンラインの食事デリバリーサービス「UberEats」の四角いリュックを背負って自転車に乗る人を見かけることも多くなりました。こうしたデリバリーサービスを活用した、新しいタイプの飲食店「ゴーストレストラン」が流行の兆しを見せているようです。
「ゴーストレストラン」とは?
「ゴーストレストラン」は、実店舗を持たずにキッチンだけを間借りし、UberEatsのようなデリバリーサービスを利用して飲食物の販売を行う飲食店のことです。米国ニューヨークで流行し、その波は日本にも来ています。
ゴーストレストランは、ホールスタッフや宅配ピザなどのようなデリバリースタッフを用意する必要もなく、また、他の店舗のキッチンを間借りしたりシェアキッチンを利用したりすることで、調理器具などをゼロから準備する必要もありません。
そのため、人件費や固定費を抑え、低コストで飲食店を経営できるというのです。
デリバリーサービスとシェアキッチン
また、外部のデリバリーサービスの活用により、容易にオペレーション体制を変更できるため、顧客からのフィードバックを素早く営業方針に反映できることや、クレーム対応をあまりせずに済むことなど、メリットは多くあります。一つのキッチンを借りるだけで、複数ブランドの展開も可能なことも、ゴーストレストランの大きな強みのようです。
日本では、プラカップに入ったコンパクトなカレーを提供する「6curry」がパイオニアとなり、その見た目の良さもあってSNSでも話題となりました。
また、こうしたゴーストレストランの流行とともに、先ほども少し触れたように「シェアキッチン」も広がりを見せています。
都内にある「8K」では、飲食店営業許可がついているため、食品衛生責任者であればすぐに飲食販売ができます。また、ゴーストレストランが入居できるシェアキッチン「Kitchen BASE」が2019年2月にサービスを始めるなど、日本でもゴーストレストランの動きを後押しする新たなプラットフォームが生まれ始めています。
賛否の声はさまざま
ネットでは、こうしたゴーストレストランに対して、
「これは流行るだろうな」
「開業の敷居下がるしアイデアのある店がもっと出てくるかも」
「これからどんどん増えていきそう」
「感度のいい人たちが参入してるからかオシャレな店多いよね」
など、期待を寄せる声が多くあります。
一方で、
「デリバリーだと食べ物限られそう」
「一般家庭のキッチンとかで衛生管理も怪しいまま始めてたらいやだな」
「東京だとオシャレ感だけで移動弁当屋のくせに600円とか800円とか取る店も多いけどこの店も一緒じゃないの」
「見た目だけイケてる風にして1000円とかとられるなら牛丼屋かコンビニ弁当でいい」
と、消費者の観点から否定的な意見も見られます。
果たして定着するのか?
新たなビジネスモデルとして大いに可能性のあるゴーストレストランですが、安い外食チェーンが数多くある日本で、今後、どれくらい浸透するのでしょうか。これからの動向に注目したいところです。
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