株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反落、一時▲375円安も終値21,000円を死守

2019年5月29日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,003円(▲256円、▲1.2%) 3日ぶり反落
  • TOPIX 1,536.4(▲14.5、▲0.9%) 4日ぶり反落
  • 東証マザーズ株価指数 920.5(▲0.8、▲0.1%) 3日ぶり小反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:512、値下がり銘柄数:1,541、変わらず:83
  • 値上がり業種数:2、値下がり業種数:31
  • 年初来高値更新銘柄数:42、年初来安値更新銘柄数:171

東証1部の出来高は13億2,229万株、売買代金は2兆1,030億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。前日は一過性の嵩上げがあったため、減少は至極当然であるものの、それを勘案しても盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は低水準ながらも、かろうじて2兆円を維持しています。

そのような中、米国株安を受けて日経平均株価は終日マイナス圏での値動きとなりました。寄り付きから安く推移し、前場の序盤には一時▲375円安まで下落する場面も見られました。しかし、後場に入ると21,000円を挟んだ攻防が続く膠着状態となり、結局はそのまま引けています。3日ぶりの反落となりましたが、終値は21,000円を死守しました。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日ぶりの反落でしたが、下落率は日経平均株価より小さく留まりました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への売り圧力が強かったことを示唆しています。

東証マザーズ株価指数は3日ぶり小反落、売買代金は連日で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は6,252万株、売買代金1,101億円となり、いずれも前日より減少しました。個人投資家の物色意欲はやや一服しましたが、売買代金は連日で1,000億円を超えるなど、閑散相場という状況ではありませんでした。

また、株価指数はわずかに下落して3日ぶりの反落となりましたが、大きな下押しはなかったようです。このまま900ポイントを固めていくのか、今後も個人投資家による物色意欲回復の継続が大きな焦点になると思われます。

ユニーファミマHDが▲7%安に迫る急落、ホンダは連日の年初来安値更新

個別銘柄では、小売株が総じて売られ、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が▲7%安に迫る急落となり、ニトリホールディングス(9843)、ローソン(2651)、良品計画(7453)などが大幅下落となりました。前日に上場来高値を付けたファーストリテイリング(9983)も大きく値を下げています。

また、金融株の下げもきつく、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が大幅安となり、みずほフィナンシャルグループ(8411)は再び年初来安値を更新しました。さらに、金融庁から正式に業務改善命令を受けた野村ホールディングス(8604)も軟調な値動きとなっています。

その他では、自動車株に対する売りも続き、スズキ(7269)やマツダ(7261)が値を下げ、ホンダ(7267)が連日の年初来安値更新となったのが目を引きました。

一方、フランスのルノー社の大型提携報道に絡み、日産自動車(7201)と三菱自動車(7211)が自動車株の中で逆行高となりました。

また、小型ジェット機「MRJ」の多数納入が報道された三菱重工業(7011)が大幅高となっています。その他では、アステラス製薬(4503)や中外製薬(4519)など医薬品株の一角に買い戻しが入ったことが目立ちました。

新興市場(東証マザーズ)では、メルカリ(4385)が堅調に推移し、ユーザベース(3966)は急騰しました。一方、そーせいグループ(4565)が反落し、シェアリングテクノロジー(3989)は3日連続の年初来安値更新となっています。

葛西 裕一