株式市場の振り返り―世界的な先行き不透明感で大幅下落に

2016年2月10日(水)の東京株式市場は、前日に続き大幅下落となりました。日経平均株価は前日比▲2.3%下落、TOPIXは▲3.0%下落で引けています。

日経平均株価は前日比▲42円安の1万6,127円で始まりました。寄り付き後も下落が続き、一時は▲400円を超える下落となり、結局、前場は▲385円安の1万5,699円で引けました。

為替相場(円ドル)は一時115円台となりましたが、その後は再び円高が進み、2014年11月以来となる114円台前半で推移しました。また、10年物国債利回りは前日よりマイナス金利幅を広げています。

後場はさらに下げ幅を広げ、日経平均株価は一時▲655円安となり、15,500円台を割り込んで年初来安値を更新する場面が見られました。その後は買い戻しが入ったと見られ、大引けは▲372円安の1万5,713円で終わっています。

東証1部で上昇したのは131銘柄、値下がり1,780銘柄、変わらず26銘柄でした。東証1部の出来高は38億4,903万株、売買代金は3兆5,368億円(概算)となっています。

セクター動向と主要銘柄の動き―33業種全てが下落、為替敏感株が小幅下落に止まる

前日に続き、東証33業種の全てが下落しました。その中で下落幅が小さかったのは、精密機器▲0.3%、繊維▲1.1%、輸送用機器▲1.2%などであり、逆に下落率が大きかったのは、銀行業▲5.3%、その他金融▲4.8% 、電気・ガス業▲4.5%などでした。全面安の中、金融株が大きく売られた一方で、為替敏感関連業種の下げが小幅に止まったようです。

個別銘柄では、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)などの証券株、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、ゆうちょ銀行(7182)などの銀行株、アコム(8572)、アイフル(8515)、オリックス(8591)などのノンバンク株の下落が目立ちました。

一方、数少ない上昇銘柄の中には、ファナック(6954)、キーエンス(6861)のようなFA(工場自動化)関連銘柄が見られました。また、京セラ(6971)、村田製作所(6981)などの電子部品メーカーも反発。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―引き続き金融セクターの下げ止まりに注目

11日(木)は祝日のため東京株式市場は休場でしたが、10日の米国株式市場の下落や、原油相場の続落を受けて、アジア市場の多くが下落しました。特に、春節明けで再開となった香港市場は、ハンセン指数が▲3.8%の大幅下落となっています。下落の背景には、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による米議会証言に対する様々な思惑があるようです。

なお、12日(金)はミニSQの日です。イエレン議長の議会証言は11日にも予定されており、金曜日の東京市場にも、通常以上に何らかの影響を及ぼすかもしれません。いずれにせよ、当面は米国の金融政策や、欧州の金融機関に対する懸念などの材料に注目が集まると考えられます。そのため、下げ止まりが見られない金融セクターを始めとして、金利変動の影響を受けやすい業種の株価動向に注視したいところです。

【2016年2月12日 投信1編集部】

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LIMO編集部