大豊工業、通期修正公表値はほぼ達成 既存事業の強化で原資を稼ぎ、新領域ビジネス実現を図る

2019年5月28日に行われた、大豊工業株式会社2019年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:大豊工業株式会社 代表取締役社長 杉原功一 氏

2019年3月期決算説明会

杉原功一氏:あらためまして、みなさまこんにちは。社長の杉原でございます。日頃より当社に対してのご理解・ご協力・ご支援、ありがとうございます。また、今日は足元の悪い中、当社の2019年3月期決算説明会に足をお運びいただきまして、誠にありがとうございます。

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さっそくですが、説明に入らせていただきます。今日の報告内容です。2019年3月期の実績、2020年3月期の計画、さらに将来の見通しと今後の取組みについてご説明させていただきます。

2019年3月期 決算の概況<連結>

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残念ながら2019年3月期の決算は、売上高が1,134億円、営業利益が48億円、経常利益が47億円、当期純利益が30億円ということで、それぞれ前年同期比でマイナスとなっており、減収減益でございます。しかしながら、修正公表値については達成している状況でございます。

2019年3月期売上高 =製品別= <連結>

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その売上高の内訳を製品別で説明いたします。

中国市場の減速により、我々のコアであります軸受製品が減収となっております。その他の部品事業(システム製品・ダイカスト製品・ガスケット製品)については、堅調に売上高が伸びていました。しかしながら、設備・金型事業において受注減が発生しております。

2019年3月期売上高 =地域別= <連結消去前>

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地域別に見てみますと、国内は、設備・試作の減少、さらに中国向けの輸出製品で減少ということで、12億円の減少になっております。中国につきましては、上期は計画通り好調でしたが、下期半期より貿易摩擦の影響で低迷しており、結果として前年度比で微増となっております。アジアにつきましては、ディーゼル製品で増加という状況でございます。

経常利益増減要因(前期比) <連結>

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その経常利益の内訳でございます。

合理化努力で17億円、経営努力としては15億円努力してまいりましたが、一方で労務費の増加、あるいは販価改定・減価償却費の増加をカバーしきれず、20.8億円の減益となっております。

株主還元

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結果として、配当でございます。

これまで配当性向30パーセントを維持してまいりました。業績に応じて順調に伸びてまいりましたが、2019年3月期は設備事業による減収減益により、1株当たり32円へ修正させていただきました。

2020年3月期通期業績計画 <連結>

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2020年3月期の計画でございます。

後ほどご説明させていただきますが、今期につきましては、さらに中国市場と設備事業の低迷を予測しており、前期比でもう一段減収減益となる見込みでございます。しかしながら、21年3月期以降は業績を上げていくように努めてまいります。

2020年3月期売上高計画 =製品別= <連結>

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(売上高計画を)製品別で表しますと、中国市場低迷の影響で、軸受商品でマイナス11億円、ダイカストで受注減。さらに、モデルチェンジが一段落したことで、設備・金型においてもう一段受注減があると考えております。

設備事業の状況

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今まではあまりご説明していなかったのですが、これまで設備事業としては、前々期(2018年3月期)で191億円の売上高実績がありました。それに対して前期(2019年3月期)では173億円まで落ち込みました。

今期(2020年3月期)も164億円までもう一段減少するという見込みで、まだ設備減少が続くと見ております。しかしながら、来期(2021年3月期)においては回復してくることを見込んでおります。

経常利益増減予測(前期比) <連結>

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経常利益の増減予測でございます。

予想としては、売上減による利益減、あるいは販価改定が予想されますが、引き続き合理化努力を大きく進め、これらを補いつつ40億円のレベルで留めたいと考えております。

しかしながら、子会社の大豊岐阜を吸収合併したことで償却方法の変更により、減価償却費の8億円が増加しまして、結果として32億円となる予定でございます。

自動車市場の動向と予測

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それでは、大豊工業の将来の見通しおよび取組みについてご説明させていただきます。

これまでもご紹介しておりますが、当社はエンジン部品を中心とした製品で成り立っている会社でございます。ご存じのようにエンジン搭載車は、全体の市場の伸びに伴いまして、EV・FCV系統も伸びてくると予測されますが、ハイブリッド(HV)・PHVも含めますと、2030年頃まではまだ増えてくることを見込んでおります。

ご存じのように、グローバルでの自動車販売台数は、中国を中心とした新興国により(自動車市場を)牽引していくと予測しております。

大豊工業の取組み(VISION2020)

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そのような中で、当社はこれまで2020年のビジョン(「VISION2020」)を立てて事業を伸ばしてまいりましたが、グローバルに拡販を進めてまいりました。新興国、北米を中心に、既存事業のシェアをさらに拡大していくことを計画しております。

大豊工業の取組み(~2025年)

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その中身でございます。

軸受について、こちら(縦軸)が製品群別、こちら(横軸)が地域別です。中国市場を中心に軸受拡販を継続しつつ、我々の第2の事業の柱としております、電動化対応等のダイカスト新領域を伸ばしていこうと計画しております。

エンジン用軸受の拡大

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この(軸受とダイカストの)2つについて、もう一度ご説明させていただきます。

はじめに、エンジン用の軸受でございます。これ(グラフの青い部分)は、グローバルのエンジン軸受の主要顧客シェアでございます。これまでのつながりもあり、トヨタさんを中心として圧倒的にシェアを確保しておりますが、一方でVW・GMにも現在引き合いをもらっている状況でございます。

そして、中国の自動車メーカー、とりわけ欧米系、民族系についても伸ばしていこうということで進めています。既存顧客の欧米系メーカーでシェア拡大を図りながら、トヨタおよび国内主要メーカーのシェアを堅持してまいりたいと思います。

中国ビジネスの取組み

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その中国ビジネスの取組みでございます。

前回もご紹介したかもしれませんが、現在中間層が増加して販売台数が伸びていく中で、民族系自動車メーカーは群雄割拠から淘汰の時代となり、品質とブランドイメージ向上が必須となっています。そのような中でガソリンエンジン、それから省エネ車用ディーゼルエンジンの規制対応等のニーズもあり、「中国の軸受よりは技術力で勝るグローバル品質の部品メーカーへ発注したい」という要望もきています。

そこで現在、ガソリンエンジンにつきましては、当社の得意としている新たな低フリクション・耐摩耗性に優れる樹脂コーディング軸受。ディーゼル系におきましては、ビスマスメッキ等の技術によりまして、より耐焼付き性・耐熱性に優れ、コーティング・高筒内圧化に対応できる軸受を提供しています。このようなもので、品質向上を目指す民族系メーカーに当社軸受を提案し、受注拡大の活動を推進している状況でございます。

中国ビジネスの活動状況①

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2018年現在における中国市場でのシェアでございますが、約12パーセントとなっています。これは、ディーゼルとガソリンの両方を足したものでございます。これらを、2025年には倍以上の25パーセントに持っていきたいということで進めています。欧米系・民族系の拡販により、中国市場で着実にシェアを拡大し、収益向上を図ってまいります。

中国ビジネスの活動状況②

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これらを支える生産拠点として、2016年より中国生産拠点の強化を進めてまいりました。

まず、すべり軸受加工メーカー(TCY)でございます。これらについては新しい樹脂コーティングラインの導入、そして昨年(2018年)は第3工場を竣工し、生産スペースの確保も行ってまいりました。今は設備の移設も含めて、ほぼ8割がた埋まってきている状況でございます。

それから、軸受材料メーカーとしてWBMという会社を持っていますが、昨年アルミ鋳造ラインを再導入し、日本と同一品質の軸受材料の供給を開始しました。これによりまして、中国で材料から加工までの一貫生産体制を構築しています。そして、高性能エンジン用軸受の生産強化と合理化で、収益向上も図ってまいります。

一方で、販売拠点としましても、お客さまの近くに事務所を新設し、よりコミュニケーションを深化させ、大豊ブランドの浸透を図ってまいります。

中国ビジネスの活動状況③

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これが、現在いただいている中国の軸受受注の予想でございます。

日本系・欧米系、あるいは民族系から、このようにガソリン用軸受の受注をいただいています。拡販・生産体制強化の活動により、2020年以降、日系・欧米系メーカーをはじめ民族系メーカーへの軸受が増加する見通しを立てています。

新領域の取組み

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新領域の取組みでございます。

既存事業を強化して原資を稼ぎ、新領域ビジネスを実現していきます。まだスタディの段階のものもございますが、我々の大豊グループとして持っている軸受・システム製品化技術・樹脂成形・シールといったコア技術が、自動車におけます電動化に対応するバッテリー・コンバーター/インバーター・モータ/トランスアクスル・燃料電池に、どのようなものが応用できるのか示した表でございます。

現在は大豊グループのコア技術で新事業・新製品領域を創出していく部署として「G-TSR推進室」を新設しています。その一方で、既存ビジネスのなかで電動化によりアルミダイカスト製品に付加価値がございます。このように、現在はダイカストビジネスを伸ばす予定です。

新領域の取組み =ダイカスト製品=①

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大豊工業としては、古くからダイカスト製品を第2の事業の柱として持っており、おもに耐圧あるいは気密性のいいダイカスト部品を提供してまいりました。このような製品群は、おもに内燃機関用でございました。

これらの技術を活かしまして、2014年に燃料電池のプレッシャープレートという部品を受注しており、これらを軸にしながらHV・EV・FCVといった部品の需要の拡大も図っています。

従来、エンジン・駆動系部品が中心だった領域から、HV・EV・FCVといった電動化への対応をしていくことで、アルミダイカスト事業領域の拡大を図っています。

新領域の取組み =ダイカスト製品=②

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予想でございますが、既存製品を維持しつつ、新領域の需要増を予測して、売上高に貢献することを進めています。新領域を着実に受注するため、開発と生産技術を一体とした「BRダイカスト室」を新設して、このニーズに追従しようとしています。

お客様からの評価

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少々話は変わりますが、昨年(2018年)、とくにトヨタ自動車様より、いろいろな表彰を受けていました。

「技術開発賞」として、生産性を向上させた「スマートライン」コンセプトのエンジン軸受加工ライン。「部品標準化賞」として、バランスウェイトの開発・量産で受賞しています。また、子会社の大豊精機株式会社におきましては、コンパクト電動パイプ曲げ成形機が評価されています。

バランスウェイトとは

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今まであまりご紹介してきませんでしたが、バランスウェイトは、古くからの当社事業の1つでございます。この機会にアピールをさせていただきます。

ご存じのようにタイヤとホイールは、製造過程で重量の偏りが生じてしまう中で、バランスウェイトはその偏りを低減させるため、古くからホイールに使われている部品でございます。

当初、比重が重い鉛が多く使われていました。当社も当時は軸受に鉛を使っていたものですから、同じ鉛を使う部品ということで、古くからバランスウェイトを作っています。従来は、この「クリップ式」のタイプですが、昨今アルミホイール用に「接着式」というバランスウェイトも出てきています。これらの重量バランスの量に応じた品番を、たくさん持つことになってしまいます。

当社バランスウェイトの歴史

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この(バランスウェイトの)流れですが、(1960年代に)先ほど申しました鉛のバランスウェイトを、トヨタさんからとくに全量受注していました。

1998年に、環境負荷物質として鉛を使用しない鉄バランスウェイトの生産を開始しています。

さらに昨年(2018年)、品番削減と作業性を向上させた、ロール式のバランスウェイトを開発いたしました。

バランスウェイトの取組み

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従来の接着式のバランスウェイトは、重量ごとに多くの種類を持たなければいけない状況でございました。今度の(新型の)ものは、このようなロール式にしまして、バランスの悪さを測定して自動的に供給する装置を開発いたしました。この供給装置が、必要な重量バランスに応じてロール式バランスウェイトから供給するものでございます。

これまで、品番数が25品番あったものを(大幅に削減して)1品番にする。そして、自動化で作業性が向上できる。さらに、在庫スペースも3割以上削減できるということで、昨年(2018年)トヨタさんから「部品標準化賞」をもらったというものでございます。

バランスウェイトの状況

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当社のバランスウェイトは、現在は日本が主流でございますが、世界中にこのような多少のシェアを持っています。

グローバルシェアとしては(2018年度で)11パーセントくらいですが、2025年度に20パーセントを目指して、今は日系メーカーだけではなく、海外メーカーへ拡販して、世界シェアの拡大を図っている状況でございます。

VISION2025

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最後に、現在策定中の「VISION2025」に向けた取り組みです。

この図はイメージだけですが、VISION2020として目指してまいりました。VISION2025では「地球環境とミライの社会に貢献していく」ということで、我々の持っている技術(トライボロジー)をコアにして保有技術を進化し、一方でイノベーションを図って、Only Oneの製品でグローバルNo.1を目指してまいります。

「地球環境に貢献するイノベーション」「グローバルに供給する革新的ものづくり」、そしてそれを支える「激動の時代に際しチャレンジし続ける人財」。この3本の柱をベースにしながら、100年企業を目指して、グループの持続的成長を図ってまいります。

既存製品の深化・拡大と共に新規事業の柱を確立する

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我々の製品群でございますが、それぞれの領域で拡販を図っていくとともに、取り巻く環境が変わっています。このような中から新製品・新事業も模索していこうというイメージでございます。

以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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