国民年金の平均受給額:男女差と金額別の分布

国民年金の平均額(全年齢)11/13

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

国民年金の受給額分布(金額階級別)

  • 1万円未満:5万1828人
  • 1万円以上~2万円未満:21万3583人
  • 2万円以上~3万円未満:68万4559人
  • 3万円以上~4万円未満:206万1539人
  • 4万円以上~5万円未満:388万83人
  • 5万円以上~6万円未満:641万228人
  • 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
  • 7万円以上~:299万7738人

国民年金の平均年金月額は男女全体、男性・女性ともに5万円台です。上のグラフが示すとおり、「月額1万円未満~7万円以上」と分布していることがわかります。

国民年金では満額が固定されていることから、厚生年金ほどばらけることはありません。

ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」となっており、多くの人が満額を受け取れていることも読み取れます。

働き方で変わる、ライフコース別の年金受給額モデル

年金には個人差があるからこそ、平均だけでは見えないものがあります。「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と確認する一歩となるよう、ここではライフコースごとの目安額を紹介します。

厚生労働省が2026年1月23日に公表した「多様なライフコースに応じた年金額の例」から見ていきましょう。

本資料では、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類した年金額の概算が提示されています。

ライフコース別のモデル年金額12/13

ライフコース別のモデル年金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

モデルケース1:厚生年金加入が中心だった男性の場合

年金月額の目安:17万6793円

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
  • 基礎年金:6万9951円
  • 厚生年金:10万6842円

モデルケース2:国民年金加入が中心だった男性の場合

年金月額の目安:6万3513円

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36万4000円
  • 基礎年金:4万8896円
  • 厚生年金:1万4617円

モデルケース3:厚生年金加入が中心だった女性の場合

年金月額の目安:13万4640円

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万1881円
  • 厚生年金:6万2759円

モデルケース4:国民年金加入が中心だった女性の場合

年金月額の目安:6万1771円

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 基礎年金:5万3119円
  • 厚生年金:8652円

モデルケース5:第3号被保険者期間が中心だった女性の場合

年金月額の目安:7万8249円

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 基礎年金:6万9016円
  • 厚生年金:9234円

厚生年金の加入期間や現役時代の平均収入によって、年金月額は大きく変動します。

特に、現役時代に国民年金と厚生年金のどちらを中心に加入していたかによって、老後の受給額は大きく変わることが見て取れます。

年金受給者の確定申告とマイナンバーカード活用法

年金受給者のうち、一定の条件を満たす場合には「確定申告不要制度」が適用されます。あてはまる人の場合、毎年確定申告をおこなう必要はありません。

確定申告が不要になるケースとは

確定申告が不要となる条件は次のとおりです。

  • 公的年金等(※1)の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(※2)が20万円以下である

※1 国民年金や厚生年金、共済組合から支給を受ける老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金)、恩給(普通恩給)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金、確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金など
※2 生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金、給与所得、生命保険の満期返戻金など 

ただし確定申告不要制度の対象者であっても、確定申告をすることで所得税の還付を受けられるケースもあります(※3)

所得税の確定申告が不要な場合でも、生命保険料控除や地震保険料控除など、源泉徴収票に記載されていない控除を適用したいケースや、公的年金などに係る雑所得以外の所得があり住民税の申告が必要となるケースがあります(※4)

※3  公的年金から源泉徴収された所得税を、医療費控除や雑損控除などにより取り戻したい場合
※4  所得税の確定申告をすれば、その情報が市区町村に送られるため、改めて住民税の申告をする必要はありません

スマートフォンで確定申告を完結させる方法

スマートフォンとマイナンバーカードの連携が進んだことで、令和7年(2025年)分の確定申告はさらに簡単になります。

マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても、スマートフォンのマイナンバーカードを利用すれば申告書の作成・e-Tax送信が可能です。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、案内に沿って申告書を入力すると完成しますし、自動計算機能によって計算ミスも防げます。

また、マイナポータル連携の機能を使うと、保険料控除証明書や源泉徴収票などの情報を自動取得し、確定申告書へ反映できます。書類を集めて入力する手間が省け、確定申告にかかる時間が大幅に短縮できるでしょう。

まとめ

今回は、60歳代から90歳以上の方々の年金受給額について、年齢別の平均額やライフコースによる違いを詳しく見てきました。

ご自身の受給額と比べて、安心された方、あるいは少し不安に感じた方もいらっしゃるかもしれません。

厚生年金は現役時代の収入や加入期間によって、国民年金は保険料の納付状況によって受給額が大きく変わるため、平均額はあくまで一つの目安として捉えることが大切です。

大切なのは、ご自身の正確な年金見込額を把握し、それに基づいた生活設計を立てることではないでしょうか。

年に一度送られてくる「ねんきん定期便」や、いつでも最新の情報を確認できる「ねんきんネット」などを活用して、ご自身の記録を確かめてみることをおすすめします。

参考資料

石津 大希