3. シニア世代の「終活」は進んでいる?人生の後半を豊かに過ごすための準備とは

【グラフ】終活に対するイメージ(全体・男女別・年代別)7/7

【全体・男女別・年代別】終活に対するイメージのグラフ

出所:NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)第2回終活意識全国調査報告書【確定版】(2025年7月)

長寿社会となった現代では、老後や万が一の時に備える「終活」への関心が高まっています。

NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)が公表した『第2回終活意識全国調査報告書【確定版】』(2025年7月)によれば、20歳代から80歳代の男女2052名のうち、96.2%もの人が「終活」という言葉を認知していることがわかりました。

2009年頃から使われ始めたとされるこの言葉は、すでに社会に広く浸透しているといえるでしょう。

しかし、終活に対するイメージとしては「亡くなったときのための準備」といったネガティブな側面が依然として強く、70歳代以上では7割がこのような印象を抱いています。

「人生の後半期を前向きに過ごすための準備」とポジティブに捉える人も増えていますが、まだマイナスイメージを払拭するには至っていないのが現状のようです。

3.1 終活の第一歩として注目されるエンディングノートの活用状況

老後資金の計画だけでなく、具体的な終活のアクションへ移る際に役立つのがエンディングノートです。

NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)の『第2回終活意識全国調査報告書【確定版】』(2025年7月)によると、「エンディングノート」という言葉の認知度は全体の84.3%にのぼります。しかし、実際の行動には世代間で大きな違いが見られます。年代別の所有率と実行率を確認してみましょう。

年代で見るエンディングノートの認知度・所有率・実行率の比較

  • 20歳代
    • 認知度:60.7%
    • 所有率:6.3%
      • 実行率(所有者ベース):92.2%
  • 30歳代
    • 認知度:74.1%
    • 所有率:5.2%
      • 実行率(所有者ベース):76.9%
  • 40歳代
    • 認知度:85.3%
    • 所有率:7.5%
      • 実行率(所有者ベース):77.3%
  • 50歳代
    • 認知度:86.6%
    • 所有率:8.5%
      • 実行率(所有者ベース):64.0%
  • 60歳代
    • 認知度:92.5%
    • 所有率:16.0%
      • 実行率(所有者ベース):53.8%
  • 70歳代以上
    • 認知度:93.9%
    • 所有率:24.2%
      • 実行率(所有者ベース):50.6%

エンディングノートの認知度は年齢とともに上昇し、60歳代以上では9割を超えています。

その一方で、実際にエンディングノートを「持っている」人の割合は、70歳代以上が24.2%で最も高いものの、50歳代までは1桁台にとどまっています。終活がまだ身近な課題ではない若い世代では、この傾向は自然なことかもしれません。

興味深いことに、エンディングノートを所有している人のうち、実際に「書いている」人の割合は、年齢が上がるほど低下する傾向にあり、70歳代以上では50.6%と最も低くなりました。

これは、高齢になるにつれて記載すべき項目が増えたり、健康上の理由で筆が進めにくくなったりする可能性が考えられます。

エンディングノートは、お墓や葬儀、家族信託といった複雑な手続きとは異なり、自分一人ですぐに始められる手軽さが魅力です。

ご自身の金融資産やデジタル遺品などを整理する第一歩として、エンディングノートの記入から始めてみるのも有効な選択肢の一つでしょう。

【調査概要】『第2回終活意識全国調査報告書【確定版】』(2025年7月)NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)

  • 調査目的:高齢社会における終活意識の実態を明らかにし、個人が豊かで安心した人生後半期を送るための支援策や啓発活動に役立てる
  • 調査対象:20~89歳の男女
  • 調査地域:全国
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査時期:2024年12月4日(水)~12月6日(金)
  • 回答者数:2052名
  • 割付方法:人口構成比割付(令和2年国勢調査の性年代別人口比率に基づく)
  • 調査委託先:株式会社マクロミル