5. 「年金だけでは厳しい」シニア世代の生活実感
J-FLEC(金融経済教育推進機構)が2024年12月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」では、60歳代・70歳代の二人以上世帯のうち、60歳代で32.6%、70歳代で30.6%が「年金だけでは日常生活費をまかなうのも難しい」と感じていることが明らかになりました。
5.1 年金生活に「ゆとりがない」と感じる背景
年金生活にゆとりを感じられない理由として、物価の上昇や医療費・介護費の負担増が上位を占めています。
現役時代と比べて収入が減少しがちなリタイア後の生活では、こうした支出の増加が家計への負担感をより一層強める要因になると考えられます。
また、現役時代は毎月給与が支払われていましたが、老齢年金は原則として「偶数月に2カ月分がまとめて支給」されるため、お金の管理方法にも変化が求められます。
年金が支給されるサイクルを意識して、日々の生活費のやりくりを工夫していくことが大切になるでしょう。
6. まとめ
「シニア世代の貯蓄額」は増加傾向にありますが、平均値と中央値には乖離が見られます。
また、データからは月々約3万円の赤字が発生しており、貯蓄を取り崩しながら生活している実態がうかがえます。
特に厚生年金の平均受給額は約15万円ですが、これはあくまで平均であり、受給額には大きな個人差が存在します。
そのため、年金収入だけで生活を維持するのは簡単なことではありません。2カ月に一度の年金支給サイクルに合わせた家計管理や、物価上昇に備えた計画的な資金計画がより一層重要になります。
まずはご自身の正確な年金見込み額を把握し、それに基づいた無理のない支出計画を立てることが、安心して暮らせる老後への第一歩と言えるでしょう。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
- LIMO「【65歳以上】夫婦世帯、平均貯蓄額はいくら?毎月「赤字」になるのが平均的なのか《貯蓄額・家計収支・年金額》」
マネー編集部貯蓄班
