Cさん夫婦は2人の子どもに恵まれ、共働きのダブルインカムでそこそこ余裕のある生活を送っていました。夫婦そろってそれほど残業の多くない会社で働いており、月の残業時間はそれぞれ10時間ほど。子どもが2人とも小学校に上がり、自分たちで帰れるようになったためCさんは時短勤務をやめ、できるだけ定時で帰るようにしているとのこと。そして、夫婦で早く帰れるほうが夕食の係、遅く帰ったほうが洗濯物の係としてお互いに家事を分担しているのだと言います。

理想的な家族のように見えますが、Cさんにはある悩みがありました。それは、娘と息子に対する夫の扱いに差があることです。元々ドライなタイプのCさんの夫。子どもが言葉を話せないような赤ちゃんのときには、家事はやってくれるものの育児にはあまり積極的ではなかったのだそう。しかし、子ども2人が小学校に上がり、大人の言葉を理解して会話がしっかりできるようになってくると態度が急変。がぜん子どもへの関わりを深めるようになったと言います。

そこまではいいのですが、問題はここから。娘と息子で扱いに大きな差がつくようになってしまったのです。夫は娘を溺愛。習い事も塾も、色々なことをやらせてあげたいと言います。逆に息子のほうは「男の子は放っておいても育つ」とやや野放し気味。この差に、「息子がかわいそうでならない」とCさんは憤ります。

娘の体調不良で学校に呼び出されたときには協力的なのに、息子のときには「任せる」の一言。娘の習い事の希望はどんどん聞いて、「もう少しやりたいことを絞りなさい」「あれこれやっても実にならないよ」とCさんが娘を諭しても、「オレがお金を出すから」と夫が払ってしまう始末。

「オレがお金を出す」と言えるのも、ダブルインカムの余裕からかもしれません。しかし、子どもの接し方に差をつけると、子どもは敏感に察知しますから、早めに親としての自覚を持って2人に接してもらいたいものですね。

まとめ

いかがでしたか。今回は妻側の話を聞きましたが、3人ともさまざまな悩みや葛藤を抱えていました。ここに書いたもののほかにも、今後のキャリアやお給料のことで夫と大げんかをしたというエピソードもありました。夫婦げんかはある程度仕方のないことですが、大事なのはお互いの言い分を聞いてしっかり話し合い、しこりを後に残さないことですね。

大塚 ちえ