接客の仕事をしていると、避けて通れないのがクレーム対応。中には「何を言っているんだろう」と思うようなクレームが来ることがありますよね。そこで今回はクレームが来たときの対処法について、接客の現場で働く3人に話を聞いてみました。

相手の予想を超えるリアクションをする

クレームが来たとき、単純にサービスや商品の質についてのクレームであったり、自分たちの会社に落ち度があったりした場合のクレームなら仕方ないと思えるのでしょうが、中には「そんなことまで?」と思うようなクレームを言う人がいますよね。

ある銀行のコールセンターで働いていたAさんは、「お前はどうせブスなんだろう」と言われたことがあるといいます。

最初、電話を取って少し話を聞いていると、あまりに支離滅裂な話で何を言いたいのか要領が掴めなかったのだそう。戸惑ったAさんが「~ということですか?」と色々な角度から質問してみるも、返ってくるのは今ひとつ的を射ていないような回答。それを繰り返すうちに突然、「お前はどうせブスなんだろう」と言われたのだそうです。

Aさんは、あまりにも予想外の言葉に動転して「なんでそう思うのですか?」と聞いてしまったと言います。電話の相手も話がなかなか通じないのでイラついて皮肉を言いたかっただけなのでしょうが、Aさんのストレートな反応に面食らった様子で「別に理由があるわけじゃないけど…」としどろもどろになって電話を切ったと言います。

Aさんの発言は、コールセンターのオペレーターとしては褒められたものではないかもしれませんが、相手の「ちょっと意地悪してやろう」「皮肉の1つや2つでも言ってやろう」というちょっとした悪意を吹き飛ばすにはちょうどよかったのでしょう。使える場面は少ないかもしれませんが、相手の意表を突く受け答えをするというのもクレームをはねのける一つの手となるようです。

さらなるクレームの予感がしたときは早めに選手交代する

証券会社のコールセンターで働くBさん。彼女は「お前らがオレの金を取っていっただろう」とクレームをつけられたと言います。結果として、そのお客さんの勘違いだったようなのですが、しつこく疑い、Bさんがどれだけ論理的に説明しても聞く耳を持ちません。

お客さんの中には「女にお金のことを言われたくない」とか「女に説明されたくない」と思っている人がいることを、Bさんはそれまでの仕事の経験で知っていたと言います。

2度同じ説明をして相手も理解してきてはいるが、振り上げた拳の置きどころがないといった感じでなかなか引き下がれなかったのだろうとBさん。お客さんが「お前の懐に入っているんだろう」「お前なんか信用できない」とさらに態度を強めた瞬間に手を挙げ、スーパーバイザーに交代を求めたと言います。

この類のお客さんは、担当者が交代すると態度が豹変します。そのときも担当者が男性に代わった途端、お客さんはおとなしくなってすごすごと電話を切ったそう。話す内容が同じで、説明の方法も大きく変わるわけではないのに、当初の相手では自分の主張を引っこめられなくなってしまうという人もいますよね。

そういうときには、あまり考えずにほかの人に担当を代わってもらいましょう。そのほうがストレスなく、穏やかな気持ちで仕事ができます。

自信があれば非の打ちどころのない接客を