お盆や年末年始、ゴールデンウィークといった長期休暇には、やはり「実家に帰省する」という人も多いでしょう。
しかし、地元を離れた大学生など若者の中には、長期休暇でも帰省したくないという人たちが少なくないようです。いったいなぜでしょうか? この記事では、SNS上にあふれる「実家に帰省したくない人」の心の叫びを聞いてみたいと思います。
実家が嫌で……
大学進学や就職などで地方から都市部に移り住んだ人たちには、
「地元を早く離れたい」
「実家から出たいから遠くの大学に進学した」
という人も少なくありません。そうした人たちにとって、帰省シーズンは憂鬱なものとなっています。「帰省はしたくないけど、親に帰省するよう口酸っぱく言われ、しぶしぶ帰省する」なんて人も。
さて、この「帰省したくない」には、単純に親とうまくいっていない、ということも原因のひとつにあるのでしょうが、さらに原因を掘り進めると、そこには「地方と都市部の隔たり」があるようです。
地方の実家の現実
大学時代に地方から都市部へ出てきたという人たちの中には、地方には都会にあるような情報や文化的施設が少なく、「都会にそうしたものがある、というのを知る機会すらない」と話す人もいます。スマホの普及によって、もちろん地方でもネットを通じて情報を取れる人も増えましたが、「親はWi-Fiがそもそも何かわからず、家にパソコンの使えるネット環境がない」といったこともあるようです。
また、親世代にとって、いくらネットで情報を得られるようになっても、ネットへの不信感が根強くある場合も多いとのことです。たとえば、「テレビこそがマジョリティであり、テレビに映らないものはクオリティが低い」という考えをする人も少なくありません。
また、「結婚して子どもを持つことが幸せである」「女性は勉強しなくても、結婚できさえすればよい」といった考えや、LGBTへの差別的な考えなどを持っている人も多く、家族や親戚はみな、いわば「古い」人たちばかり、といったことがしばしばあるのです。
帰りたくない人たち
一方で、大学や都会では、情報がたくさんあり、それゆえ選択肢が多くあります。先に挙げたような「古い」人は都会でも多く見られますが、そうではない人たちも多くいるため、自分のいる場所をある程度は選ぶことができます。その点でも、帰省を忌避する人たちは、「実家に帰っても『古い』人たちばかりで話が合わず、消耗するだけ」と考えるようです。
SNS上では、
「親との会話は語彙量知識量が違いすぎてキャッチボール形式にしようとするとマジで続かない。もうやだ自分の家に帰りたい」
「やだなぁ実家帰りたくないなぁ。うちの親はいつもわしの話を絶妙なタイミングで遮って攻撃に転じ大打撃を与えてくるまさに喋り場の悪夢」
「そもそも大学進学するときも、女子なんだからそんな勉強しなくていいよと親にも言われたなぁ…。帰省したときも、女性なんだから、と私にだけ家事のこと言われるといつもケンカになる」
と、帰省したときの愚痴をこぼす人が多く見受けられます。
学費や仕送りへの引け目で帰省しづらい人も
また、ちょっと意外に思う人も多いかもしれませんが、帰省をしたがらない大学生の中には、「親にお金を出してもらって進学していること」に引け目を感じている人も少なくありません。
そうした人からは、たとえば、次のような声が上がっています。