5. 日本の公的年金制度の基本構造

最後に、すべての議論の基礎となる公的年金制度の仕組みについて、簡単におさらいしておきましょう。

5.1 1階部分:国民年金(基礎年金)

  • 加入対象:日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人
  • 制度の特徴:加入者が「定額」の保険料を納付し、将来、受給資格を満たした際に「定額」の基礎年金を受け取る、公的年金制度の土台となる部分です。

5.2 2階部分:厚生年金

  • 加入対象:会社員や公務員など、事業所に雇用される人
  • 制度の特徴:現役時代の給与(標準報酬月額)や賞与(標準賞与額)に応じて保険料が決まり、将来の受給額もそれに比例する「報酬比例」の部分です。この2階部分が手厚いほど、老後の生活の安定度が高まります。

6. まとめにかえて

2026年度の年金額増額は一つの明るい材料ですが、同時に物価上昇が家計に与える影響にも注意を払う必要があります。

実際に、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、70歳代の家計において「ゆとりがない・苦しい」と感じている人の割合は、二人以上世帯・単身世帯のいずれも87.7%と、9割近くにのぼります。

その主な理由として、半数以上の人が「物価上昇」を挙げています。公的年金は老後の生活を支える重要な基盤ですが、年金収入だけでインフレの波を乗り切るのは容易ではないのが実情です。

まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して、ご自身の年金見込額を正確に把握することから始めてはいかがでしょうか。その上で、預貯金、投資、保険などを適切に組み合わせ、長期的な視点で老後に向けた資産形成を進めていくことが大切です。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

マネー編集部年金班