来週、2月13日(金)は公的年金の支給日です。この日、公的年金とは別に「年金生活者支援給付金」という給付金が支給される方もいます。
この給付金は、所得や年金収入が一定基準を下回る方に対して、基礎年金に上乗せして支給されるものです。実は2026年度、この給付金は前年度からプラス3.2%という大幅な増額改定が決定しています。実際の支給額への反映は6月からとなりますが、今のうちから自分が対象となるのか、いくら受け取れるのかを確認しておくことは、新年度の資金計画を立てる上で欠かせません。
本記事では、2026年度の最新支給額や受給に必要な要件、そして「申請しないともらえない」という注意点を含めた手続き方法まで、詳しく解説します。
1. 年金生活者支援給付金:どんな要件を満たしたらもらえる?
「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定基準以下となる場合に受け取ることができるお金です。
「年金生活者支援給付金」は3種類あります。それぞれ詳細を見ていきましょう。
1.1 【老齢年金生活者支援給付金】支給要件を見る
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
1.2 【障害年金生活者支援給付金】支給要件を見る
障害年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金等の非課税収入は除く
1.3 【遺族年金生活者支援給付金】支給要件を見る
遺族年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
2. 年金生活者支援給付金:1人あたり月いくらもらえる?
年金生活者支援給付金の金額は、物価変動に応じて年度ごとに見直されます。
2026年度については前年度より+3.2%の増額改定となり、6月に支給される4月分の給付金から増額率が適用されます。
2.1 2026年度の年金生活者支援給付金「支給金額は+3.2%の増額」
- 老齢年金生活者支援給付金(基準額):5620円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金:5620円
老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されます。
3. 年金生活者支援給付金:申請しないともらえないので注意!手続き方法は?
年金生活者支援給付金を受給するためには、必ず請求手続きが必要です。支給要件を満たせば自然に年金が増額される仕組みではありません。
ここでは、該当する方が多い2つのケース、「これから新たに老齢年金を受け取り始める人の場合」と、「すでに年金を受給中の人の場合」について、請求手続き方法を整理しておきましょう。
3.1 新たに老齢年金を受け取り始める人
- 65歳になる3カ月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封されて、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」が届きます
- 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と併せて年金事務所に提出します
3.2 すでに年金受給中の人
- 毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。2025年は9月1日から順次発送されています。
- 2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は電子申請を利用できます。
- 電子申請を利用しない場合は、必要事項を記載し、切手を貼ってポストに投函します
年金生活者支援給付金は、原則として請求した月の翌月分から支給が開始されます。
また、一度請求手続きをおこなえば、支給要件を満たす限り2年目以降は請求手続き不要で継続受給が可能です。
4. 老後の年金:現代のシニアは月どれくらいもらってる?
ここからは、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、厚生年金と国民年金の平均年金月額を確認します。
4.1 【国民年金・厚生年金】平均はいくら?個人差・男女差にも着目
4.2 厚生年金の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:15万289円(国民年金部分を含む)
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
4.3 国民年金の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は、男性で16万9967円、女性で11万1413円となっており、その差は約6万円にも上ります。
この違いは、厚生年金加入月数と、その期間の収入額が年金額に反映されるため、現役時代の働き方が老後の年金額に大きく影響することが要因です。
一方、国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額は、男女ともに月額約6万円にとどまっています。これは、保険料の未納や免除を受けた人が一定数存在し、その分、平均額が低くなっているためです。
5. まとめ
年金生活者支援給付金は、老齢・障害・遺族基礎年金の受給者を対象とした重要な経済支援です。
2026年度は3.2%の増額が実施され、老齢給付金の基準額は月額5620円となります。
ただし、本制度は世帯全員の市町村民税が非課税であることや所得制限などの要件があるほか、自ら請求手続きを行わなければ受給できない点に注意が必要です。
平均的な年金受給額が国民年金で月約6万円にとどまる中、こうした給付金を漏れなく受け取ることが生活の安定につながります。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」
和田 直子