8. 年金受給者の確定申告は必要?不要になる条件とマイナンバーカード活用術

公的年金は所得税法上「雑所得」に分類されますが、特定の条件を満たす場合は「確定申告不要制度」が適用され、確定申告の手間が省けます。

8.1 確定申告が不要になる2つの条件

以下の両方の条件に当てはまる場合、所得税等の確定申告は不要です。

  • 公的年金等(※1)の収入金額の合計が400万円以下で、かつそのすべてが源泉徴収の対象であること
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(※2)が20万円以下であること

※1 国民年金、厚生年金、共済組合から支給される老齢年金や恩給、過去の勤務先から支給される年金、確定給付企業年金などが該当します。
※2 生命保険契約などに基づく個人年金、給与所得、生命保険の満期返戻金などが該当します。

ただし、所得税の還付を受けたい場合(※3)は、確定申告が必要です。

また、所得税の確定申告が不要な場合でも、源泉徴収票に記載されていない生命保険料控除や地震保険料控除などを適用したい場合や、公的年金以外の所得があり住民税の申告が必要になる場合(※4)があります。

ご自身の状況が不明な場合は、お住まいの市区町村に問い合わせてみるのがよいでしょう。

※3 医療費控除や雑損控除などにより、公的年金から源泉徴収された所得税の還付を受けたい場合。
※4 所得税の確定申告を行えば、その内容が市区町村に連携されるため、別途住民税の申告をする必要はありません。

8.2 スマホで完結!令和7年分からの確定申告の変更点

令和7年(2025年)分の確定申告からは、スマートフォンとマイナンバーカードの連携が強化され、手続きがさらに簡素化されます。

スマートフォンのマイナンバーカード機能を利用すれば、カードを物理的に読み取ることなく、申告書の作成からe-Taxでの送信まで完結できます。

申告書は、国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」で案内に従って入力するだけで作成でき、自動計算機能により計算ミスも防げます。

さらに、マイナポータル連携機能を使えば、保険料控除証明書や源泉徴収票といった必要書類の情報を自動で取得し、申告書に反映させることが可能です。これにより、書類の収集や手入力の手間が大幅に削減されるでしょう。

注意点:マイナンバーカードと電子証明書の有効期限

これらの便利なサービスを継続して利用するためには、マイナンバーカードと電子証明書の有効期限に注意が必要です。期限が切れていると、e-Taxでの手続きができなくなってしまいます。

確定申告シーズンは市区町村の更新窓口が混雑しやすいため、時間に余裕を持って早めに更新手続きを済ませておくことをおすすめします。

9. まとめ

今回は、公的年金の仕組みから平均受給額、高齢者世帯の所得構成まで、さまざまなデータをもとに解説しました。

今月の年金支給を前に、ご自身の年金額や家計の状況を改めて見つめ直す良い機会になったのではないでしょうか。

記事で紹介した平均額はあくまで一つの目安であり、個々の受給額は現役時代の働き方や加入期間によって大きく異なります。

大切なのは、ご自身の「ねんきん定期便」などで正確な金額を把握し、それを基に将来のライフプランを具体的に描くことです。

確定申告など、年金に関連する手続きも年々便利になっています。新しい情報を上手に活用しながら、安心できるシニアライフの準備を進めていきましょう。

参考資料

中本 智恵