株式市場の振り返り-日経平均株価は約3年1カ月ぶり7日続落、「令和」で上昇なしが続く

2019年5月14日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,067円(▲124円、▲0.6%) 7日続落
  • TOPIX 1,534.9(▲6.1、▲0.4%) 7日続落
  • 東証マザーズ株価指数 872.7(▲17.4、▲2.0%) 5日続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:931、値下がり銘柄数:1,139、変わらず:70
  • 値上がり業種数:11、値下がり業種数:22
  • 年初来高値更新銘柄数:35、年初来安値更新銘柄数:671

東証1部の出来高は17億3,388万株、売買代金は2兆8,526億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米中貿易摩擦問題の解決が長引く中、米国株式市場の急落を受けた売りが優勢となりました。一部投げ売りも出た結果、売買代金は3兆円には届かなかったものの、比較的高水準を維持しています。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏で推移しました。ただ、米国株の急落を受けて前場の序盤には一時▲439円まで下落(一時21,000円割れ)した後は買い戻しが優勢となり、後場の序盤には一時▲113円安まで下げ幅を徐々に縮小する展開となりました。それでもプラス圏へ浮上するには程遠く、結局は7日続落で引けています。

依然として、「令和」になってから株式市場の上昇が見られていません。ちなみに、日経平均株価が7日続落となるのは約3年1カ月ぶりのことです。

なお、TOPIXも同じような値動きで7日続落となりました。

東証マザーズ株価指数は5日続落、売買代金は7日ぶりに1,000億円超え

東証マザーズの出来高は7,143万株、売買代金1,010億円となり、いずれも前日より増加しました。新興市場でも個人投資家の一部投げ売りが出たようであり、売買代金は7日ぶりに1,000億円を超えています。ただ、様子見スタンスも引き続き強く、盛り上がりに欠けた商いだったと言えましょう。

また、株価指数は▲2%弱安の大幅下落となる5日続落となりました。終値でも900ポイントを大きく割り込むなど、下値不安が解消されていないようです。

ソフトバンクGが大幅3日続落、いすゞ自動車が一時▲20%安に迫る大暴落

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)が一時▲6%超安の急落となり、終値も▲5%超安となる3日大幅続落となりました。

また、前日に今期業績の減益見通しを公表したいすゞ自動車(7202)が一時▲20%安に迫る大暴落となり、同じく前日にQ1決算を発表したブリヂストン(5108)等と共に年初来安値更新となっています。

その他では、金融株の下げが依然としてきつく、みずほフィナンシャルグループ(8411)や野村ホールディングス(8604)が相次いで年初来安値を更新したのが目を引きました。

一方、KDDI(9433)が朝方から逆行高で大きく値を上げ、エーザイ(4523)や資生堂(4911)などのディフェンシブ銘柄も堅調に推移しました。

また、日立製作所(6501)や富士通(6702)など主力ハイテク株の一角に買い戻しが入りましたが、値上がりは限定的なものだったようです。

新興市場(東証マザーズ)では、先週赤字決算を公表したメルカリ(4385)が3日連続の急落となり、終値で再び公開価格(3,000円)を割り込みました。また、医療バイオ関連株ではアンジェス(4563)がストップ安の暴落となっています。一方、串カツ田中ホールディングス(3547)などが堅調な値動きとなりました。

葛西 裕一