平成が終わり、心機一転、新たな気持ちで令和を迎えている方も多いでしょう。この一大イベントで忘れがちですが、いよいよ2019年10月から消費税の増税が行われます。

そして、この増税とともに導入される軽減税率制度。生活にかなり影響しますが、具体的に内容を理解している人は少ないのではないでしょうか? 今回は軽減税率制度が我々消費者にどのような影響を及ぼすのかを見てみます。

軽減税率の対象は食料品と新聞

2015年10月、2017年4月と2度の延期が行われた消費税の増税ですが、三度目の正直で2019年10月の消費税増税は「リーマンショック級の何かが起こらなければ」予定通り行われると言われています。

消費税が2%上がれば家計はそれなりの出費増です。普通に生活をしていれば、消費税がかからない出費といえば、賃貸マンションやアパートで暮らしている場合の家賃や、生命保険料や自動車保険料、ローンの返済などです(海外旅行の渡航費なども消費税がかかりませんが、これはぜいたく品ですね)。これらも家計でそれなりの割合を占める支出ですが、これ以外の支出、一例として食費などには消費税がかかります。

たとえば毎日の食費を2,000円と決めているAさん。1カ月だと食費は6万円ほどです。消費税が8%なら6万円にふくまれる消費税は、およそ4,445円ですが、10%となるとおよそ5,455円です。約1,000円の出費増です。たかが1,000円と思えますが、年間にして12,000円の支出増はそれなりのものです。食費以外にも、趣味やデート、家族でのお出かけなど、いたるところで出費が増加してしまいます。

給料が同じように上がれば話は別ですが、そうでない限り、消費税の増税は自由に使えるお金が減ることを意味します。そこで、せめて生活の基礎となる出費だけでも消費税を8%に据え置くための制度が軽減税率制度です。つまり、軽減税率の対象となるモノを購入した場合、その商品に関する消費税だけが8%になるということです。

スーパーマーケットやコンビニなど現場は大変ですが、軽減税率の制度自体は非常にシンプルです。ざっくりいってお酒以外の飲食料品と新聞が軽減税率の対象品目です。

新聞をとっている家は限られますので、多くの人にとって関係するのは飲食料品です。スーパーやコンビニ、肉屋や八百屋などで野菜や肉、魚を買った場合はもちろん、弁当やおにぎり、お菓子やアイス、ジュースを買った場合にも消費税は8%のままです。

とにかく食べたり飲んだりするものは、お酒以外は軽減税率の対象と思っておけばよいでしょう(おまけ付きのお菓子などは対象になるのかといった議論はありますが、細かい話なのでここでは触れずにおきます)。

食料品は生活していくうえで、最も購入頻度も高く、生きていくうえで必要なものなので、すべての人にとって軽減税率は関係しているといってよいでしょう。ちなみに、新聞が対象なら、水道光熱費はもっとインフラな気もしますが、水道光熱費は軽減税率の対象外で、10%の消費税が課税されます。

外食は消費税率10%

一つだけ軽減税率で議論されるのが、外食の取り扱いです。外食については食料品の購入と異なり、軽減税率の対象外になっています。ちなみにテイクアウトは軽減税率の対象です。