2月の年金支給日が近づくなか、「年金に上乗せして支給される給付金がある」と聞いて気になっている方も多いのではないでしょうか。食料品や光熱費、医療費の負担が増すいま、年金収入を主な収入源とする高齢世帯にとって、年金生活者支援給付金は家計を支える重要な制度の一つです。
この給付金は、老齢年金・障害年金・遺族年金を受給している人のうち、一定の所得・年金額以下の人を対象に、年金に上乗せして支給される仕組みです。
ただし、対象条件を満たしていても、申請しなければ受け取れない点には注意が必要です。
老後生活では収入が限られる一方で、支出や資産管理の重要性は年々高まっています。ここでは、給付金の対象者と給付額の考え方、そして老後の家計管理がなぜ重要なのかを整理します。
1. 年金生活者支援給付金の受給対象者を確認
公的年金等の収入や所得が一定基準額以下の年金受給者は、年金生活者支援給付金を受け取れる可能性があります。受給対象者の要件をまとめると、以下のとおりです。
要件に該当しでも、申請をしなければ受け取れません。日本年金機構から送付される「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」に必要事項を記載し、年金事務所へ送付する必要があります。
なお、年金生活者支援給付金は所得要件があるため、受け取れるかどうかの確認が毎年行われます(継続認定)。年金事務所が市区町村から受給者本人および世帯員の前年所得情報の提供を受け、引き続き支給要件に該当しているか確認し、支給要件を満たしていれば継続して支給する仕組みです。
2. 年金生活者支援給付金の受給額
年金生活者支援給付金は、通常の年金の上乗せとして支給されます。具体的な金額は、以下のとおりです(2025年度)。
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円※
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
※
保険料納付済期間に基づく額(月額) =5450円×保険料納付済期間÷被保険者月数480月
保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1551円×保険料免除期間÷被保険者月数480月
たとえば、受給できる月額が5450円の方であれば、年金支給日に1万900円が上乗せされる計算です。年間換算で約6万円になるため、要件に該当する方は「申請が済んでいるか」「きちんと振り込まれているか」を確認しましょう。
3. 老後生活で家計管理・資産管理が重要になる理由
老後の生活を安心して送るために、家計管理は若い頃以上に大切になります。なぜなら、これまでとはお金との付き合い方が大きく変わるからです。
3.1 収入が限られる中での支出バランスを取る必要がある
現役時代は毎月決まった給料が入ってきましたが、老後は主に年金が収入源となります。多くの方にとって、年金額は現役時代の収入よりも少なくなります。
夫婦二人で月20万円程度の年金を受け取る場合、この範囲内で生活費や趣味、医療費などをすべて必要があります。不足分は、貯蓄を取り崩す必要があります。収入が限られているからこそ、何にいくら使っているのかを把握し、無駄な支出を見直すことが欠かせません。
家計簿をつけることで、自分たちの生活パターンが見えてきて、必要な支出と削減できる支出の区別がつきやすくなるでしょう。
3.2 予期せぬ出費に備える
老後には、病気やケガによる医療費、介護費用、住宅の修繕費など、予想外の出費が発生しやすくなります。現役時代なら多少の出費は働いてカバーできましたが、老後は収入を増やすことが難しいため、事前の備えが欠かせません。
毎月の生活費は年金や他の所得(勤労所得や資産所得)でまかない、医療費や介護費などの臨時で発生する支出は貯蓄でカバーできれば安心です。また、医療保険や介護保険の内容を理解し、どんな支援が受けられるかを知っておくことも家計を守る大切なポイントです。
4. 年金に上乗せされる支援を活かしながら、老後の家計を守るために今できること
年金生活者支援給付金は、低年金世帯にとって毎月の家計を下支えする大切な制度です。
年金生活を安心して送るために、まず自分が年金生活者支援給付金の対象になるか確認しましょう。要件に該当する場合は必ず申請し、きちんと振り込まれているかを定期的にチェックすることが大切です。
次に、老後の家計管理として毎月の収支を把握する習慣をつけましょう。家計簿をつけることで生活パターンが見えてきて、必要な支出と削減できる支出の区別がつきやすくなります。
老後は年金が主な収入源となるため、現役時代のように収入を増やすことが難しくなります。そのため、予期せぬ医療費や介護費用、住宅修繕費などに備えて貯蓄を確保しておくことが重要です。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金を受給している方の令和7年12月以降のお支払いについて」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から1.9%の引上げです~」
柴田 充輝