単身で年齢を重ねたとき、「医療や介護はどうなるのか」「お金や手続きを誰に任せればいいのか」といった不安を抱く人は少なくありません。NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)が実施した「第2回終活意識全国調査」により、単身で老後を迎える「高齢のおひとりさま」になったときに心配なこととして、医療・介護や金銭管理、死後の手続きが上位に挙げられています。
一方で、将来への関心はあっても、具体的な準備に踏み出せていない人が一定数いるのが現状です。こうした不安に備える選択肢の一つとして、判断や手続き面を支える「成年後見制度」があります。今回は、高齢のおひとりさまが安心して暮らしを続けるために知っておきたい成年後見制度の役割や活用のポイントについて解説します。
1. 成年後見制度、利用のきっかけ約9割が「お金の管理」が不安
日常生活の中では、「銀行の窓口での手続きが難しくなった」「役所からの書類や電話対応がよく分からない」と感じる場面が増えることがあります。こうした法的な支援が必要な困りごとに備える制度が、成年後見制度です。
成年後見人などは、本人に代わって銀行での手続きや預貯金の管理を行ったり、介護・福祉サービスの利用契約、保険料や税金の支払いなどをサポートします。また、内容を十分に理解しないまま結んでしまった契約については、取り消しを申し立てることも可能です。
1.1 制度利用者の約9割が同じ理由「その内容とは?」
この制度が利用される理由として多いのが「お金の管理が難しくなること」です。最高裁判所の統計によると、成年後見制度を利用した人のうち約9割(92.7%)が、預貯金の管理や解約などの金銭面の手続きを理由に挙げています。
認知症などで判断能力が低下すると、たとえ家族であっても本人名義の銀行口座を自由に扱えないケースがあります。その結果、医療費や介護費の支払いが滞ってしまうおそれもあります。成年後見制度は、こうした事態を防ぎ、暮らしと財産を守るための大切な仕組みといえるでしょう。


