2026年を迎え、超高齢社会となった日本では「人生100年時代」がより現実的なものとなっています。最新の統計では平均寿命が高い水準で推移する一方、高齢者の3人に1人が認知症またはその予備軍とされるなど、長寿に伴う新たな課題も見えてきました。

長く健康的な生活を送るためには、単なる貯蓄だけでなく、認知機能への理解や「終活」を通じた人生の棚卸しが欠かせません。本記事では、自分らしく充実したシニアライフを送るための最新データと備えのステップをお伝えします。

1. 日本の長寿化、平均寿命「男性81.09年/女性87.13年」シニアの時間どう過ごす?

厚生労働省が2025年7月に公表した「令和6年簡易生命表の概況」によると、最新の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。

前年と比較すると男性は横ばい、女性はわずかに下回ったものの、長期的な推移(下表)を見ると、男女ともに寿命が大きく延びていることがわかります。

1.1 平均寿命の推移(一部抜粋)

  • 昭和22年:男性50.06年/女性53.96年
  • 昭和60年:男性74.78年/女性80.48年
  • 平成27年:男性80.75年/女性86.99年
  • 令和6年:男性81.09年/女性87.13年

長くなった老後を豊かに過ごすためには、現役時代からの計画的な資産形成に加え、公的年金制度や医療・介護リスクへの深い理解がこれまで以上に重要となっています。

2. 認知症の現状、「シニアの約4人に1人」認知機能に何かしらのサインが現れている状態

長寿化が進む中で避けて通れないのが「認知症」への備えです。認知症とは、脳の神経細胞の働きが変化することで認知機能が低下し、社会生活に支障を来した状態を指します。

65歳以上の高齢者における認知症の現状(令和4年(2022年)時点の推計値)

65歳以上の高齢者における認知症の現状(令和4年(2022年)時点の推計値)

出所:政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」

65歳以上のシニア層3603万人を対象にした令和4年度(2022年度)の推計をみていきましょう。これに基づくと、65歳以上の高齢者における現状は以下の通りです。

  • 認知症: 約443万人(12.3%)
  • 軽度認知障害(MCI): 約559万人(15.5%)

これらを合わせると、約1002万人となり、65歳以上の高齢者の27.8%、つまり約4人に1人が、認知機能になんらかのサインが現れている状態です。また、65歳未満で発症する「若年性認知症」は平均54歳と若く、高齢者とは対照的に男性に多い傾向があります。認知症は今や「誰にとっても身近な問題」です。MCIの段階で適切に対応することが、その後の生活の質を左右する鍵となります。

3. 終活とエンディングノート、「シニア世代の終活」は万全?

長寿化と認知症リスクを見据え、注目されているのが「終活」です。NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)の「第2回終活意識全国調査報告書【確定版】(2025年7月)」によると、「終活」という言葉の認知度は96.2%に達し、社会にに定着していることがわかります。

【グラフ】終活に対するイメージ(全体・男女別・年代別)

【全体・男女別・年代別】終活に対するイメージのグラフ

出所:NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)第2回終活意識全国調査報告書【確定版】(2025年7月)

一方で、終活の第一歩となる「エンディングノート」の活用については、年代ごとに課題が見られます。

3.1 エンディングノートの意識と実行率

  • 認知度:60歳代以上で9割を超える。
  • 所有率:70歳代以上が24.2%と最も高いが、50歳代以下は1桁台。
  • 実行率(持っている人のうち):20歳代が9割以上書いているのに対し、70歳代以上は約5割にとどまる。

高齢になるにつれて、書くべき項目が多岐にわたることや、「まだ早い」という心理的な先送り、あるいは健康上の理由などから筆が進みにくくなってしまったりする可能性があるのかもしれません。資産状況の整理や介護・医療への希望など、自分の意思を反映させるためには、気力・体力が充実しているうちから準備を始めることが有効です。

【調査概要】NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)第2回終活意識全国調査報告書【確定版】(2025年7月)

  • 調査目的 :高齢社会における終活意識の実態を明らかにし、個人が豊かで安心した人生後半期を送るための支援策や啓発活動に役立てる
  • 調査対象 :20~89歳の男女
  • 調査地域 :全国
  • 調査方法 :インターネットリサーチ
  • 調査時期 :2024年12月4日(水)~12月6日(金)
  • 回答者数 :2,052名
  • 割付方法 :人口構成比割付(令和2年国勢調査の性年代別人口比率に基づく)
  • 調査委託先 :株式会社マクロミル