東京および米国株式市場の振り返り―日本株は大幅下落、米国株は上昇

2016年1月14日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比▲2.7%下落、TOPIXは同▲2.5%下落となりました。日経平均は一時1万7000円を割れる場面もあり、株式市場ではリスクオフの流れが引き続き見られます。

一方、14日の米国株式市場では、代表的な株価指数S&P500が同+1.7%上昇しています。

米国株式市場のセクター動向と主要銘柄の動き―景気敏感買い、消費安定売り

年明けから毎日、乱高下の相場が続いています。東京株式市場の動向を占うため、今回は1月14日の米国株式市場の振り返りを中心にして、15日の日本の株式市場の展開を考えたいと思います。

14日の米国の株式市場では、エネルギー関連やバイオ関連、またICT企業株中心に買われ、消費安定株が売られる展開でした。

原油先物相場が続伸したこともあり、エクソン・モービル(XOM)は前日比+4.6%上昇し、シェブロン(CVX)も同+4.1%上昇と石油関連株が大きく買われました。

また、バイオ関連株も好調です。アラガン(AGN)は同+4.1%上昇、アムジェン(AMGN)は同+5.3%上昇、アッヴィ(ABBV)は同+6.6%上昇、セルジーン(CELG)は同+4.9%上昇で引けました。日本の株式市場とは異なり、リスクマネーが再び流入してきたような様相です。

加えて、ICT(情報通信技術)関連企業の株も総じて好調に株価が推移しました。アップルは同+2.2%上昇、マイクロソフト(MSFT)は同+2.9%上昇、フェイスブック(FB)は同+3.1%上昇し、こちらもバイオ関連株企業同様に成長力の高いセクターに買いが入った状況です。

一方、消費安定株は総じて低調でした。ペプシコ(PEP)は同▲0.7%下落、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は同▲0.5%下落して引けています。

投信1が注目する本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―リスクオンだが銘柄選択が強まる

米国の好調の株式市場の流れや円安を汲んで、15日の東京株式市場は、輸出関連株やエネルギー株を中心として全体的に好調に推移すると思われます。

ただ、残念ながら、日本の株式市場には世界で戦える強力なバイオやICT関連株がありません。そのため、一時は輸出関連株に注目される局面もあるかと予想されますが、ファンダメンタルズのよい内需関連株が再び注目される可能性もあるでしょう。

一方で、徐々に決算発表が進む中、業績に懸念がある企業は悲観的にみられる可能性があります。川崎重工業(7012)はブラジルでの造船合弁事業にかかわる損失を計上しており、決算発表を前に神経質な展開になりそうです。

また、インテル(INTC)が決算を発表しており、東京エレクトロン(8035)、新光電気工業(6967)、イビデン(4062)といった半導体関連企業の動向にも注目です。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

LIMO編集部