5. 老後資金を直撃する「介護リスク」

老後の生活を考える上で避けて通れない「介護」の問題ですが、費用については「いくらあれば絶対に安心」と一概に言えるものではありません。ご自身の健康状態や世帯の資産状況、子どもとの近居・同居状況(日常的なサポートを受けられるか)などによって、かかる費用や期間は一人ひとり大きく異なるからです。

生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、「自分が介護してもらいたい場所」として最も多く選ばれているのは「公的な介護老人福祉施設など(特別養護老人ホーム等)」(35.2%)でした。

しかし、自宅での在宅介護に比べて、施設での介護はどうしてもまとまった費用がかかりやすく、費用負担が重くなる傾向にあります。公的介護保険制度を利用したとしても、定められた上限を超えたサービス利用料や、施設での居住費(部

5.1 老後の生活費と介護費用の二重負担

さらに同調査では、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考えられている「最低日常生活費」の平均は月額23万9000円と報告されています。

前述の標準的な年金受給額(夫婦で約22万7000円)と比較すると、日常生活を送るだけでも毎月1万円以上の不足が生じる計算です。

すでにゆとりが少ない家計状況下で、月々数万円から十数万円の介護費用が上乗せされればダメージは計り知れず、貯蓄が急激に減少するリスクがあります。

要介護状態になってから慌てないためにも、元気なうちから介護施設の相場を調べたり、必要に応じて民間の介護保険などで備えを手厚くしたりと、万が一を見据えた資金準備をしておくことが重要です。