社会人の「いい借金」と「悪い借金」 父が娘に伝えたいお金の話(2)

娘よ、もうそろそろ会社に慣れてきたかな。何、まだ研修中で配属も決まっていない!? そうか、ゴールデンウィーク後に正式配属になるのかな。金融の世界では、今年の10連休は戦々恐々なのだが......。

30年間積み立て預金をした大富豪

今から30年以上前になるが、お父さんが会社に入ったころは定期預金の金利が5~6%もあったんだ。当時はバブル前夜で、日本経済が“戦後”から完全復活をとげ、ラストスパートをかけ始めていた時期に重なるな。給料も毎年上がるし、お金を定期預金に入れておけば誰もが自然に資産形成ができた時代だった。

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今は大変だ。世界的に低金利になって、預金や国債の利息ではほとんどお金が増えない状況が続くだろう。いつか君も家族を持つかもしれないし、家を買ったり、子供の教育費を負担したりとかいろいろ入り用になる。そういった時、お金がないと困ったことになる。

社会人になったばかりのお前のことだからなかなか分からないと思うが、10年、15年はあっという間に経つものさ。30代前半ともなると、会社では管理職になる同期も出てくるだろう。起業する同僚もいるかもしれん。そして、持っている資産もじわじわ差が開いてくるのがその時期だ。

じゃあ、その資産を作っていくにはどうしたらいいだろう。いきなり投資へ向かうのもいいが、いかんせん元手がない。この間も言ったが、コツコツと給料天引きで積み立てていくのが、結局「急がば回れ」で確実に貯まっていく方法なんだよ。

若くして、車だファッションだ外食だ、と威勢がいいのはいいが、ウサギと亀の寓話と一緒で、結局最後は亀が勝つことになっている。1971年に日本マクドナルドを設立した大富豪の藤田田(ふじたでん)さんは、30年間積み立て預金を続けて1億円貯めたそうだ。お前も、このことを見習ってほしい。

ビジネスには借金がつきものだが

たしか先日は借金についても話したな。そう、個人間の借金はなかなか難しいって話だった。ただ、残念ながらこの世の中では借金なしではビジネスができないことも分かってほしい。

たとえば、君にすばらしいビジネスのアイデアがあったとしよう。究極のダイエット食品だ。それを飲むだけで1週間で体重が5キロ落ち、しかも痩せたい部分だけに効くスグレものだ。

では、その製品を製造して販売するためには、どうすればいい? そう、このダイエット食品を世に出すには、工場で生産しなければならない。つまり、工場を用意するだけのお金がいるわけだ。

さあ、ここでお金がないとどうなる。このアイデアをあきらめるか、借金して工場を建てるしかない。そうなると、誰に借りるかは置いておいて、お金がない君は金策に走り回らないといけないわけだ。最近は外注で商品を作ることもできるだろうが、それとて金を払わないと業者は作ってはくれない。

このように大なり小なり、ビジネスは何事も借金から始まることを知っておいてほしい。

「いい借金」と「悪い借金」

参考記事

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太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。