2026年3月31日に公表された総務省「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)3月分(中旬速報値)」によれば、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で1.7%の上昇。
内訳をみると飲料 9.9%、菓子類 8.5%、生鮮魚介 7.9%、通信 6.6%などと生活のあらゆるところで前年同月に比べて物価が上がっています。4月も食品の値上げラッシュのため、改めて家計管理や貯蓄計画を考えたいところでしょう。
また、今の生活へも影響がありますが、あわせて老後資金も貯めたいもの。「老後2000万円問題」が一時期話題になりましたが、まとまった資金を築くには時間をかけてコツコツと備えることが重要です。
今回はおひとりさまに視点をあてて年代別に貯蓄額の平均&中央値をみていきましょう。貯蓄ゼロの割合とお金がある人、ない人の主な違いもみていきます。
1. 【おひとりさまの貯蓄額】あなたは平均・中央値を超えている?
まずは、金融経済教育推進機構が実施した「2025年家計の金融行動に関する世論調査」をもとにおひとりさま世帯の貯蓄額を見ていきます。※金融資産保有額には、預貯金のほか、株式・投資信託・生命保険などが含まれます。一方、日常的な出し入れや引き落としに備えた普通預金残高は含まれていません。
平均貯蓄額

出所:金融経済教育推進機構「2025年家計の金融行動に関する世論調査」をもとにLIMO編集部作成
1.1 30歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額(平均・中央値)はいくら?
- 金融資産非保有:32.3%
- 100万円未満:14.2%
- 100~200万円未満:14.2%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.5%
- 700~1000万円未満:3.1%
- 1000~1500万円未満:5.5%
- 1500~2000万円未満:4.3%
- 2000~3000万円未満:2.5%
- 3000万円以上:3.4%
- 無回答:3.1%
- 平均:501万円
- 中央値:100万円
30歳代では、平均貯蓄額が500万円を上回る一方、中央値は100万円となっています。
貯蓄額の分布を見ると、100万円未満が14.2%を占める一方で、3000万円以上を保有する人も3.4%存在しています。
1.2 40歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額(平均・中央値)はいくら?
- 金融資産非保有:32.1%
- 100万円未満:15.1%
- 100~200万円未満:7.1%
- 200~300万円未満:5.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:1.2%
- 2000~3000万円未満:2.8%
- 3000万円以上:9.9%
- 無回答:2.5%
- 平均:859万円
- 中央値:100万円
40歳代の中央値は、30歳代と同様に100万円となっています。
一方で平均額は30歳代より300万円以上高く、3000万円以上の金融資産を保有する層も約1割を占めています。
1.3 50歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額(平均・中央値)はいくら?
- 金融資産非保有:35.2%
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円未満:7.4%
- 200~300万円未満:4.6%
- 300~400万円未満:2.7%
- 400~500万円未満:3.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.0%
- 1500~2000万円未満:3.3%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:10.4%
- 無回答:1.9%
- 平均:999万円
- 中央値:120万円
50歳代では中央値が上昇し、平均貯蓄額も1000万円近い水準となっています。
一方で、一定の資産を蓄えている世帯がある反面、100万円未満が10.1%を占めるなど貯蓄状況に不安を抱える世帯も少なくありません。
1.4 60歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額(平均・中央値)はいくら?
- 金融資産非保有:30.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:2.4%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.0%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:8.1%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:15.6%
- 無回答:2.2%
- 平均:1364万円
- 中央値:300万円
60歳代では中央値が300万円まで上昇していますが、その背景には退職金や相続による資産の影響があると考えられます。
一方、平均貯蓄額は1364万円となっています。
ただし、60歳代であっても、貯蓄が100万円未満の世帯(金融資産非保有を含む)は約4割にのぼっています。
2. おひとりさま「貯蓄ゼロ」の割合は何パーセントか
では次に、同資料でおひとりさまで貯蓄ゼロの割合をみてみましょう。
2.1 おひとりさま「貯蓄ゼロ」の割合
- 30歳代:32.3%
- 40歳代:32.1%
- 50歳代:35.2%
- 60歳代:30.4%
いずれの年代も約3割となっており、おひとりさまのおよそ3人に1人が貯蓄ゼロとなっています。
おひとりさまの場合、自身で現在の生活だけでなく、老後資金についても貯めていく必要があります。
「老後は数十年先のことだから」と思いがちですが、それだけ先のことだからこそ、計画的な貯蓄をする必要があります。では、貯蓄がある人とない人には主にどのような違いがみられるのでしょうか。
3. 「貯蓄がある人」と「貯蓄がない人」の違いは何がある?
年代ごとの平均値と中央値を確認してきましたが、貯蓄状況には大きなばらつきがあることが分かります。
貯蓄がある人と、ほとんど持っていない人との差は、主に次のような点に表れると考えられます。
3.1 お金の現実を具体的に把握しているか
貯蓄の有無によって差が生じやすいポイントの一つに、「お金をどれだけ具体的に把握しているか」が挙げられます。
たとえば家計収支では、収入と支出を可視化することで、貯蓄ができない理由が明確になります。
また、「どこにお金をかけているのか」「どこを抑えるべきか」「自分に合った生活水準はどの程度か」といった点も整理しやすくなるでしょう。
貯蓄額についても同様に、具体的な把握が欠かせません。
現在の残高はいくらか、毎月どの程度積み立てているのか、このままのペースで続けた場合に10年後はいくらになるのかなど、数字で確認することが重要です。
さらに、老後の年金見込み額は「ねんきんネット」で確認できます。「実際にいくらくらいの年金で毎月生活をするのか?」が早くから現実を確認し、対策を立てたいところ。
公的年金だけで生活するのは現実的に厳しいケースが多いため、まずは自分自身の年金見込み額を把握することが出発点となります。
具体的な金額を知ることで、老後資金への備えに対する意識や行動につなげやすくなるでしょう。
3.2 自動で貯まる先取り貯蓄をしているか
日々忙しく、お金の状況をこまめに確認できない人が多いからこそ「自動で貯まる先取り貯蓄」の仕組みを活用することが重要です。
金融機関によっては、給料日にあらかじめ決めた金額を自動で積み立てる定期貯金などのサービスを提供しています。
こうした制度を利用して、仕組みの中で自然に貯蓄が進む状態をつくることで、無理なくお金を貯めやすくなるでしょう。
3.3 お金の情報を取り入れているか
資産運用にはリスクが伴い、難しそうだという印象から、「怖い」「よく分からない」「手間がかかりそう」といった理由で、情報収集そのものを避けてしまう人も少なくありません。
しかし、情報を知っているかどうかで、その後に選べる行動や選択肢は大きく変わります。
まずは情報に触れ、内容をきちんと理解することが重要です。
そのうえで、リスクを過度に避けるのではなく、正しく認識し、自身のリスク許容度の範囲内で判断していくことが求められます。
お金に関する情報を過度に恐れず、積極的に取り入れていきましょう。
4. 固定費を減らす方法も探そう
ここまで年代別の貯蓄額について詳しく見てきました。
昨今の物価上昇の影響から支出が増えてしまい、なかなか貯金できないという方ももしかしたらいるのではないでしょうか。
上記のほかにも、貯金額を増やす方法として「支出を抑える」観点から、固定費も見直しをしてみてもいいかもしれません。
携帯電話やWi-Fiの通信費、光熱費や保険料などを見直すことで毎月の貯金額を増やすことが出来るかもしれないので、まずは自分自身で詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
参考資料
筒井 亮鳳