識学、通期は大幅な増収増益 従来のコンサル事業が堅調に推移し、プラットフォーム事業も伸長

2019年4月19日に行われた、株式会社識学2019年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大 氏

会社紹介

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安藤広大氏:みなさま、こんにちは。株式会社識学の代表の安藤でございます。本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。さっそく、決算のご説明に入りたいと存じます。

まず、私どもの会社の概要です。上場前にも一度ご説明させていただいていますので、前回ご参加いただいた方には、重複する部分もあるかと思うのですが、この「識学」というものはすごく特徴的なものです。そこで、私どもの会社の概要とともに、識学とはどういうものなのかについて、簡単に触れさせていただいたのち、決算のご説明をさせていただきたいと思います。

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私どもは、「『識学』を通じて組織パフォーマンスの改善を図る生産性向上推進企業」であると言わせていただいております。特徴としては、この「識学」という独自のメソッドを使った組織運営のコンサルティングをしている会社です。

識学とは何かについてですが、スライドにも書いていますとおり、意識構造に着目した独自の理論であると言わせていただいております。この意識構造が何かというと、人が物事を認識し、行動に移るまでの間のことです。

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識学について①

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人は、正しく物事を認識できれば正しく行動できますが、認識を誤ってしまえば行動も誤ってしまいます。その認識の誤りのことを、誤解や錯覚と言います。識学を平たく申し上げますと、人がどのように誤解や錯覚を起こし、そしてどうすれば誤解や錯覚を起こすことなく行動できるのかをロジック化したものが識学となります。

その誤解や錯覚の発生の要因のほとんどが、よかれと思って行っている組織のリーダーのみなさまの言動にあるというところです。よって、組織のリーダーのみなさまの言動を修正することで、組織から誤解や錯覚を取り除き、組織のパフォーマンスを上げていくということに取り組んでいる会社です。

識学について②

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もう少し詳しくお話ししたいと思います。この誤解や錯覚を、大きく2種類に分けていまして、1つ目の誤解や錯覚が、「相互に発生する誤解や錯覚」と呼んでいます。この図は、同じ会社にいる4人を示していまして、みなさま、別々の人生を歩んできていますので、当然別々の常識や価値基準、判断基準を持っています。みなさま、別々のルールを持っているということになります。

そこで、1つの事象A……例えば会社で考えると、「お客さまのために」とか「いい接客」などという言葉の定義が(4人の間で)ズレてしまって、そこを調整するためのロスタイムが発生します。こういう誤解や錯覚はなくしていかなければいけないわけです。

では、どうしたらいいのか。それは、責任ある立場の人が、しっかりと共通の認識を持てるようにルールを設定して、運営していかなければいけないのです。しかし昨今、決めるべきリーダーがしっかり決めなかったり、会社によっては決めるべきリーダーが誰かが決まっていなかったりといったことで、多くの誤解や錯覚が発生しているます。こういったことをなくしていきましょうというのが、1つ目の誤解や錯覚です。

識学について③

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2つ目の誤解や錯覚は、「事実の仕組みに対する誤解や錯覚」と言っています。例えば、正しい順番、事実の仕組みの中では、お客さまにサービスを提供し、そこから対価を頂戴します。そして対価の中から、従業員は自らが発揮した有益性に対して給料を獲得できる存在です。

これが事実の仕組みだと思うのですが、勘違いした仕組みでは、従業員はサービス・対価関係なく、自分が活躍しようがしまいが給料を獲得できる存在であるという勘違いを起こしてしまいます。

事実の仕組みに対して、なぜ勘違いをしてはいけないのか。それは、結局物事は最終的に事実の仕組みに集約されていきますので、事実の仕組みに反した状況は長続きしないわけです。つまりこの会社では、給料不足になるか、その人に辞めてもらわなければならなくなる。そこで、こういう勘違いした人間が社内にいないようにしましょうということです。

しかしながら、昨今の働く人たちは、まず給料をもらえるという勘違いばかりか、さらに会社ががんばる理由を用意してくれなければがんばれません、といった人が増えています。

それを助長しているのが、よかれと思って行っているリーダーの言動で、(具体的には)上司が部下のモチベーションを上げましょうというものです。モチベーションを上げてくれなければ、社員はがんばらなくていい存在になるという勘違いを起こしてしまいます。

そこで識学では、昨今よく言われているエンゲージメントやモチベーションといったことは、全面的に否定しています。大きく分けて、この2つの誤解や錯覚を取り除き、組織のパフォーマンスを上げていくということをやっています。

識学と⼀般的な研修ビジネスとの⽐較

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では、一般的な研修との比較についてお伝えします。先ほど申し上げたとおり、リーダーの言動を修正することで、組織のパフォーマンスを上げるということを推進する会社ですので、研修の対象はあくまでも経営陣や幹部層です。

対策のポイントについてです。多くの研修が、「今この瞬間、従業員の人たちがいかにのびのび働けるか、ストレスなく働けるか」みたいなところになっているものが多いと思います。しかし私どもは、一定のストレスがかかったとしても、未来に向けて会社や個人が成長できる環境をいかに作るのかということをお伝えしています。

スタイルはマンツーマンが中心です。(スライドに記載のメソッドの)下の3つが特徴的で、先ほど言ったように、モチベーションに関しては、マネジメントの対象外と言っています。

また、努力の評価ということで、がんばっている姿を評価するかどうかについては、評価しないでほしいと言っています。なぜかというと、従業員の方が、成果を残すことよりもがんばる姿をアピールすることが自分に求められていると勘違いを起こしてしまうからです。

(一番下に記載している)現場との距離感は、遠ければ遠いほどいいと言っています。組織はルールで統制していかなければならないのに、ルールの決定者であるリーダーとメンバーの距離が近くなると、ルールが感情を持ってしまいます。

結果的にルールでの統制が難しくなり、そこに逆に不満などが生まれてくるということで、管理できることを前提に、できるだけ距離を遠くしましょうとお伝えしています。

こういったものが、識学の特徴を表した内容です。こうした前提に基づいて、決算の数字のお話をしていきたいと思います。

事業内容

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2019年2月期におきましては、売上が12億5,100万円という結果に終わりました。私どものサービスは、大きく2種類に分かれています。1つは、マネジメントコンサルティングサービスで、人力で行いますマンツーマンを中心とした研修コンサルティングサービスです。

こちらが売上のだいたい半分以上を占めていまして、それ以外が集合研修や評価制度構築サービスといったところになっています。

もう1つがプラットフォームサービスで、2019年2月期に関しては3.8パーセントの売上構成になっています。この内容は、「識学クラウド」という組織診断ができたり、動画で復習ができたりというサービスです。2018年2月期の時点では、(プラットフォームサービスの売上は)ほぼ0の状態でしたが、徐々に積み上げて、ここまで数字を上げてきています。

今、どれぐらい伸びているかについては、のちほどご説明したいと思います。

ビジネスモデル

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私どものビジネスモデルですが、先ほど申し上げたとおり、経営陣・幹部層に識学のマネジメントコンサルティングをさせていただきまして、そのあとの浸透補助ツールとして、識学のプラットフォームサービスを提供させていただく流れです。

プラットフォームサービスは、私どものメインのサービスを受けたあと、もしくは受けている途中に入っていただくという流れになっています。

顧客動向

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こちらの内容もIRで発表させていただきましたが、今年の3月末に取引社数が1,000社を超えてきました。対象の企業は、今のところ200名未満の会社がメインターゲットになっています。

おかげさまで、私どもの新規顧客の開拓ルートのメインは紹介になっていまして、紹介が7割以上となっています。結果として、この母数の拡大とともに紹介の数も合わせて入ってくるという流れになっていますので、新規のお客さまの数も増えてきています。IPO効果もありますので、そのあたりで加速してきています。

2019/2期決算概要

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決算の概要です。売上は65パーセントほどの増収で、経常利益が3.4倍の増加ということで、順調に成長させていただきまして、ほぼ予定どおりの着地になっております。

2019/2期売上推移

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スライドを見ていただいたとおりですが、マネジメントコンサルティングサービスが59.5パーセントの増収で、プラットフォームサービスはほぼ売上がなかった状態から4,700万円まできており、こちらも順調に拡大しています。

2019/2期営業利益増減分析

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トピックス的なところで言いますと、4.4億円の増収に対して、経常利益が大きく増えたというところです。逆に言うと、もう少し伸ばしきれなかった1つの原因は、Webマーケティング以外の広告宣伝をいろいろ試してみまして、どういうものが私どもに合っているのかを探るために積極的にトライして、前期では広告宣伝費を2億円以上使ったというところがあります。

(その広告宣伝費で)成長させていただいたというところもあるのですが、今期はもう少し厳選しながら広告宣伝費を使っていくかたちで進めていきたいと考えています。

またIPOの効果もありまして、広告をそこまで使わなくてもお問い合わせをいただいていますので、また新たなことにチャレンジしながらやっていきたいと思っています。

バランスシートの状況

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バランスシートに関しては見ていただいたとおりで、自己資本比率が約69パーセントまで上昇しています。

キャッシュフローの状況

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キャッシュフローの状況も当然増えていまして、手元流動性に関しては約6億円拡大している状況です。

2020/2期⾒通し

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今期の見通しのところです。プラットフォームサービスが育ってきていますので、先ほど申し上げたとおり、今期は着地として1億2,000万円の数字を見込んでいます。

また、マネジメントコンサルティングサービスの伸びが、前期の4.2億円に対して3.3億円というところで、投資家のみなさまからすると寂しい数字に見られるかなと思います。

1つ、今期の大きなところとして、前期はマネジメントコンサルティングの売上に占める私と梶山副社長の割合は30パーセント弱と、依存度の面からあまりよくない状態だったと認識しています。こちらを10~15パーセントの間で着地させたいと考えていまして、売上額にすると1億円~1億5,000万円ぐらいのインパクトがあります。

その数字を加味していただくと、昨年同様か、昨年より少し上回る成長率で社員たちの売上が増えるとご認識いただければと思います。

昨年はいろいろな機能ができあがってきて、ほかの部署に講師陣を割り振ったところもあり、講師の数の増加が6名にとどまっています。今期はこちらを15名増まで積み上げたいと思っています。

今期は、来期以降の飛躍に向けて、利益と売上に関しては私どものトップ2人の力がなくてもしっかり伸ばせる体制を作っていく1年であるとご認識いただければと思っています。

営業利益の増減要因(想定)

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営業講師は、現状の数から1.5倍以上の数字を作っていきたいということで、15名と考えています。採用のほうは非常に順調に進んでおり、前倒しで採用できています。下期頭くらいを目処にオフィスを移転したいと考えています。

業績推移

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売上の成長基調に大きな変化はなく進んでいます。利益に関しては、先ほど言ったようにオフィス移転がある点をご認識ください。あとは人件費増がインパクトの一番のメインになっています。

上場以降の主な取組み

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トピックスについてです。すでに発表させていただいていますが、さまざまな提携や事業買収等を進めさせていただいております。1つ1つを説明していたら時間がないと思いますので、1つ、大きな特徴をお話しします。

この4年間、私どもが着実に実績を積み上げてきたというところと、お客様先でも着実にサービス品質を保ってきたというところで、多くのみなさまから、識学と組むと確実に実績を残せるという信頼をいただいてきました。その成果が、この多くのアライアンスにつながっているのかなと思っています。

これ以外にも、昨日(4月18日)『7つの習慣』のフランクリン・コヴィー社と共同商品の開発等を発表させていただきました。そういったお話を多くいただけるようになっています。

どういうところと組んでいくことが、今後の識学社の発展につながるかについて、私がしっかりジャッジしていきながらも、こういったことを着実に進めていきたいなと考えております。

プラットフォームサービスの強化によるストックビジネス構築①

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投資家のみなさまに一番注目いただいているところの1つが、プラットフォームサービスというところです。先ほど申し上げたとおり、(識学の)浸透用として作っているもので、ストックサービスとなっています。

プラットフォームサービスの強化によるストックビジネス構築②

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今期は、契約件数が最終月で322件、売上にしますと前年同期比251パーセントの1億2,000万円を目指しています。

2020年2月期は7.3パーセントまで拡大予定ですが、足元の数字で言いますと、3月実績では売上構成比で6.5パーセントまで来ており、非常に順調に獲得が進んでいるとご認識いただければと思っています。

社内では、この1億2,000万円を上回るところをしっかり目指していこうと言っており、来期以降、さらに構成比が大きくなっていくと考えています。

サービスに関しても、今あるものだけではなく、もっと識学を浸透するために重要なものをどんどん開発しています。さらに売上の拡大、単価のアップを進めていきたいと思います。

識学クラウドの機能拡充:ビジネスチャットツールのカスタマイズ機能

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すでにリリースさせていただいておりますが、ラボラティックさまと提携しまして、ビジネスチャットであるSlackの会話分析を識学的にするサービスを始めています。

ラボラティックさまは、もともとSlackの会話分析をしている会社ですので、その中で、識学的に正しいコミュニケーションが行われているのかどうかを分析していくといったことをサービスとして進めていきたいと思います。

このように、ストック型のサービスについても事業会社との提携を進めていく中で、私どもの自社商品以外でもストックができるようなサービスも広げていきたいと思います。

識学クラウド以外にも、こういった他社と提携しながら、お客様への識学の浸透のプラスになるようなストックサービスを今後も続けていきたいなと思っています。

さらなる顧客ニーズへの対応 ~M&Aデューデリジェンス(組織DD)

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もう1つ、上場後の大きな動きというところで、私どもは上場時にもM&A領域でもしっかり識学を活躍させていただきたいとお伝えしていました。どういう内容かというと、まずはこの組織DDというサービスを世の中に広げていきたいと考えています。

では、組織DDとは何かについてですが、識学サーベイという、組織の状態が識学的にどうなっているのかを定量化できるサービスがあります。それとトップインタビューを合わせることで組織の状態を報告できるサービスで、これをM&A前後に活用いただくということで提供しています。

さらに、デューデリジェンス、M&Aが終わったあとに識学を導入いただいて組織を整えていくということをやっていきたいと思っています。識学はM&Aとの親和性が高いなと思っていますので、ここを進めていきたいと考えています。

M&A法⼈コンサルティング事業譲受に関する基本合意

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そうした中で、ティガラさまから事業買収に関する基本合意をさせていただきました。どういう事業なのかを少し詳しく説明します。

M&Aの月額コンサルティングサービスのようなかたちを取らせていただいています。内容は、M&Aの研修とM&Aのセカンドオピニオンを合わせたサービスで、目的は経営者のM&Aのレベルを上げるということです。

私自身、上場する前は、上場企業の社長はM&Aについて一定の知識を持っているものだと思っていました。しかし、実際に私が上場して、上場社長になってみて、まったく知らないと……。まったく知らないわけではないですが、ほとんど知識がない。

この状態で、私がM&Aという手段を取ったときに、正しい意思決定ができないだろうと思いました。それについていろいろな人に話をしてみたら、多くの上場社長が「俺も、俺も」と言うんです。

今後、本当に日本の生産性を高めていこうというときに、人口が減っていく中ではM&Aという手段は絶対に避けては通れません。少なくとも、上場するようなレベルの経営者の方が、M&Aの知識レベルが低いと、進むものも進まないという課題感を持っています。

そのレベルを上げていかなければいけないですし、お客様のターゲットとなってくるのは識学の受講者と同じ層になってきますので、営業効率も非常に高いというところで、今回、この事業を買収するという意思決定をしました。

当然、正しいM&Aが数多く実施されると、そこには間違いなく識学の需要も出てまいります。そういったところで、M&Aと識学がぐるぐる回っていくような展開をイメージしています。

M&A領域における識学サービス利⽤促進に関する事業提携

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加えて、ストライクさまとの提携では、M&A周りのところで識学が活躍していきたいというところと、ストライクさまのほうも、私どもを活用することでM&A自体がうまくいく確率を高めていきたいということで、ニーズがマッチしましたので、提携を進めています。

こうしたところが全体感となります。今年もしっかりと、着実に数字を残していきたいと思います。ご清聴、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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