4. 銘柄比較と投資先の考え方
ここからは、銘柄を選択する際にポイントとなる「違い」について説明します。
4.1 投資対象地域の違い
【オルカン】
オルカンは全世界を投資対象としており、アメリカ株式が約6割を占めるものの、残りは世界各国に分散投資されています。この地域的な分散により、特定の国の経済が低迷した場合でも、全体への影響を緩和することが可能となっています。一国に集中した投資は、その国の景気悪化時に大きく暴落するリスクがありますが、オルカンはこうした地域リスクを分散させることで、より安定的な運用を目指しています。
【S&P500】
S&P500は投資対象をアメリカ企業に特化した投資信託です。様々な業種に分散されているものの、地域的には単一国に集中しています。そのため、地域的な分散は限られて一定のリスクがあります。しかし、アメリカは世界経済を牽引する大国であり、短期的な下降はあるものの、長期的には右肩上がりの経済成長を記録しているため、長期的には安定した成長が期待できる投資対象といえます。
4.2 パフォーマンスの違い
過去の騰落率を見ると、長期的にはS&P500がオルカンを上回る傾向にあります。具体的には、過去7年間の成長率では、S&P500がオルカンより約50%高い結果となっています。これは世界経済を牽引するアメリカ企業の高い成長性を反映していると考えられます。アメリカの主要企業に集中投資することで、世界的な経済成長の恩恵を効率的に享受できる構造になっています。
しかし短期的な視点で見ると、2025年のパフォーマンスではオルカンがS&P500より5%高い騰落率となっています。
これは日本を含む先進国や新興国市場の好調な運用成績が影響していると考えられます。このことから、時期によってはアメリカ以外の国の企業が市場を牽引してパフォーマンスを上げていると言えます。
4.3 投資判断のポイント
積立投資において重要となるのは、短期的な成長率よりも、10年、20年といった長期的な成長です。両ファンドとも安定的な成長を示していますが、長期的な利益率では、今回の数値が表すように一般的にS&P500がより高い水準を維持する傾向にあります。
そのため、地域分散による安定性を重視するならオルカン、アメリカ経済の長期的な成長力に期待をするのであればS&P500が適していると言えます。