経済的な不安を抱える年金受給者を対象として、国が生活を支援するために設けているのが「年金生活者支援給付金」です。
一度限りの給付ではなく、要件を満たす限りは継続してもらえるお金ですから、もらい忘れのないようにしたいですね。
しかし、2025年9月から順次対象者に送られてきた請求書の期限は、2026年1月5日でした。
うっかり手続きを忘れていたという場合、もう給付金は受け取れないのでしょうか。
本記事では「年金生活者支援給付金」の概要や手続きの手順についてわかりやすく解説していきます。
1. 年金生活者支援給付金とは?
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない方を対象に支給される給付金のことで、2019年10月に始まりました。
1.1 年金生活者支援給付金の財源
年金生活者支援給付金の財源は2019年10月に始まった消費税の引き上げ分であり、「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」の第4条でも次のとおり明記されています。
「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
年金生活者支援給付金は「老齢年金、障害年金、遺族年金」それぞれに給付金が設けられており、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。
2. 【年金生活者支援給付金】請求書が送付されたのはどんな人?
すでに年金を受給している人のうち、年金生活者支援給付金の請求書が送付されたのは下記の要件を満たす人です。
2.1 「老齢年金生活者支援給付金」請求書が送付された人
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
2.2 「障害年金生活者支援給付金」請求書が送付された人
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金等の非課税収入は除く
2.3 「遺族年金生活者支援給付金」請求書が送付された人
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
2.4 ただし対象外になるケースも
上記の要件をみたす場合でも、下記にあてはまる場合は対象外となります。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止のとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
3. 【年金生活者支援給付金】請求期限は1月5日だった
2025年9月、新たに年金生活者支援給付金の対象となった人へは請求書が送られました。
請求には期限が設けられており、それが「2026年1月5日」だったのです。
この日までに請求が完了した人の場合、「2025年10月分」まで遡って給付金が支給されます。通常、年金や年金生活者支援給付金は、前々月と前月分がまとめて偶数月に支払われる仕組みとなっています。
例)2026年の年金支給日カレンダー4/7
出所:LIMO編集部作成
本来10月分は12月に支給されるものですが、期限までに請求した場合は2月にまとめて振り込まれるということです。
もし期限を逃してしまったら…、もう給付金は受け取れないのか?と不安になりますね。
この場合、10月分まで遡って給付を受けることはできないものの、請求した翌月分からは受け取れるようになります。
もし今請求漏れに気付いたという場合は、迅速に手続きを行いましょう。次章では手続きの流れを解説します。
4. 年金生活者支援給付金の請求手順
日本年金機構からお知らせを兼ねた請求書が郵送されてきた場合は、太枠内を記入して返送するだけで手続きが完了します。
このとき、切手を貼ることを忘れないようにしましょう。
なお、2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は電子申請を利用できます。
年金自体を新しく受給するという場合は、手続きが少々異なります。
4.1 年金自体を新規に請求する人の場合
- 受給権を得る3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封して送付されてくる
- 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書と併せて年金事務所に提出する
なお、支給要件に当てはまるかどうかが確認できない人には「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」および「所得情報等を確認するための所得状況届」が届きます。
対象となる方は早めに手続きしましょう。
5. 【年金生活者支援給付金】いくら?夫婦で合計2万1800円支給されるケースも
2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+2.7%引き上げられました。
各給付金の2025年度月額は以下の通りです。
5.1 年金生活者支援給付金の給付額
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
例えば夫婦それぞれ月額5450円を受給する世帯の場合、1回あたりの支給額は合計で2万1800円になります。
なお老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。
そのため、上記よりも多く受け取れる人や、もっと少ない人もいるでしょう。
6. まとめ
「年金生活者支援給付金」の請求期限は2026年1月5日でした。この日までに手続きを終えられた場合、10月分まで遡って給付金が振り込まれます。
もし期限が切れてしまったという場合でも、請求ができないというわけではありません。
遡求対応は受けられないものの、請求した翌月分から給付金を受け取ることができるため、対象となる方は速やかに申請しましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「Q.手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか。」
太田 彩子