子どもも仕事も好きで、3人子どもがいながらフルタイムで仕事をするママもいます。家事が好きで、じっくり子育てをし、子どもが入学してからパートをしたいというママもいます。子どもは好きだけど遊ぶのが苦手なため、自分はバリバリ働き、夫が育児担当という人もいます。
こればかりは個々人の得意・不得意と心身のキャパシティによって、ケースバイケース。「女が子育てをすべき」「女は家庭を守る」といった一昔前の正論に当てはめてしまうと、家族全員が苦しくなってしまいます。
自分や家族の得意・不得意と心身のキャパシティを十分に把握するのは、ある程度時間がかかるものでもあります。キャパ以上のことを頑張り、無理をする人も多いでしょう。逆にこれらが把握できるようになってくると、「わが家のスタイル」が定着し楽になるでしょう。
育児の現場では正論が苦しい
育児の現場では、さらに正論が通じないことが多いものです。何せ相手は「赤ちゃん」。モラルもルールもありません。
たとえば「子どもにスマホを見せてはいけない」というのは正論ですし、初めから見せたくて見せる親もいないでしょう。筆者もできるならば見せたくないうちの1人です。
わが家には子どもが2人いますが、夫と上の子のお弁当と朝食を作り、送り出さなくてはいけない朝、下の子が泣きながら起きてくると家事が中断されてしまいます。
おとなしくおんぶをされている年齢ではないですし、眠いのでグズったり泣いたりで、こうなると家事が全くできません。とはいえ時間もなく、料理をしなければいけない。こういったときに、スマホで動画を見ていてくれると助かります。
朝早く下の子が起きてきたとき用に、冷凍食品もストックしています。「できるだけ手作りのものを食べさせる」のも正論ですが、育児中は難しいのです。
自分のあるがままを見てみよう
正論の扱い方は難しいですが、正論が悪いわけでもありません。ただ、正論を言いたくなったら、ちょっと立ち止まって「環境・優先順位・ケース・状況・得意不得意・キャパシティ」など考えてみてはどうでしょう。
時には自分が正論を言われたり、世の中の正論を浴び、苦しくなることもあります。正論は人によって異なることを思い出し、自分なりの形を見つけ出せると良いですね。
永山京子