先週、総務省と厚生労働省から、物価と年金に関する重要な統計が相次いで発表されました。2025年の消費者物価指数は前年比3.2%の上昇となり、家計を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。
こうした中、2026年度(令和8年度)の年金額は引き上げが決まり、国民年金の満額は月7万円台に到達しました。
しかし、年金額の引き上げがそのまま生活のゆとりにつながるとは限りません。
実際の年金受給額は、国民年金か厚生年金かという制度の違いだけでなく、これまでの働き方や加入期間によって大きく異なります。本記事では、2026年度の年金額例に加え、60歳から90歳以上のシニア世代が実際に受け取っている年金の平均額や分布について、データをもとに分かりやすく解説します。
1. 先週発表!国民年金・厚生年金「2026年度の年金額例」はいくら?
厚生労働省によると、2026年度の年金額の例は次のとおり決定されました。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):7万608円(1人分※1)
- 厚生年金:23万7279円(夫婦2人分※)
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円(対前年度比+1300円)です。このように年齢により受給額が異なります。
※2男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生年金の23万7279円は、夫婦の合計額です。
上記の注釈があるとおり、「40年間会社員として月額45万5000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間第3号被保険者(もしくは自営業など)だった妻の国民年金」が想定されています。現代では共働き世帯や単身世帯、自営業の方などライフスタイルは多岐にわたります。この金額はあくまで一つの指標であり、実際の受給額はこれまでの加入状況によって一人ひとり大きく異なる点に留意が必要です。
ちなみに、2025年度(令和7年度)は23万2784円でした。今回で4年度連続のプラス改定となります。また国民年金の満額は、2025年度が6万9308円であり今回も増額しています。年金額が増額されるとなると、年金を実際に受給される方にとっては嬉しいものでしょう。しかし、実際には年金額が目減りしている側面もあるのです。次章でその理由について解説します。
