3. 【NISA】つみたて系・成長投資系「みんな、どのくらい活用している?」

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」から、二人以上世帯におけるNISAの活用実態を見てみましょう。

3.1 「成長投資枠系」の保有額は「つみたて系」の約1.6倍

新旧NISA制度を合わせた保有額を比較すると、一般・成長投資枠の合計は、つみたて枠合計の約1.6倍となっています。

年間の投資上限額が大きく設定されている成長投資枠(旧一般NISA含む)は、つみたて投資枠に比べてより多くの資金を運用に回しやすい性質があります。

そのため、毎月の積立による着実な形成だけでなく、手元の余剰資金を投じて資産全体を底上げする役割も担っている様子も垣間見えます。

  • つみたて系 合計:235万円
    • 新NISA つみたて投資枠:112万円
    • 旧つみたてNISA:123万円
  • 一般・成長系 合計:377万円
    • 新NISA 成長投資枠:180万円
    • 旧一般NISA:197万円

少額からコツコツと積み上げる「つみたて枠」に対し、成長投資枠は手元の余剰資金を投じることで、資産残高を大きく底上げする役割を担っていることが分かります。

3.2 新NISA「つみたて投資枠」の世代別残高

次に、新制度が開始されてからの「つみたて投資枠」の残高を世代別に見てみましょう。

  • 20歳代:69万円
  • 30歳代:98万円
  • 40歳代:107万円
  • 50歳代:119万円
  • 60歳代:123万円
  • 70歳代:135万円

20歳代から70歳代にかけて、年代が上がるにつれて残高も増加する傾向が見えます。

20歳代の69万円から始まり、30歳代〜50歳代の現役世代では約100万円前後から120万円弱まで、年代とともに緩やかに積み上がっています。

多くの世帯がライフステージの変化(昇給や支出の増減)に合わせながら、着実に積立運用を継続している様子もうかがえる結果となりました。

一方で、60歳代以降はさらに残高が伸び、70歳代では135万円と全世代で最高値に達しています。

資金に余力があるリタイア層においては、現役世代よりも月々の積立設定額を高く維持できている、あるいは制度開始当初から上限に近い枠活用を積極的に行っている世帯の存在も垣間見える結果と言えるでしょう。

4. まとめにかえて

最新の調査結果から、世代間におけるNISA活用状況の差が浮き彫りとなりました。

60歳代以上のリタイア世帯おいて投資残高が多い背景には、子育てや住宅ローンが一段落し、退職金や相続といったまとまった資金を運用に回せるといった世代特有の事情もあります。

対して、家計運営の負担がピークを迎える現役世代にとって、毎月の積立資金を捻出することが容易でないのは、統計データに照らしても「当然のこと」と言えます。

しかし、今回のデータで20歳代から50歳代にかけて残高が着実に積み上がっている傾向が示された通り、厳しい環境下でも多くの世帯が将来への備えを具体化させている様子もうかがえます。

しかし、今回シミュレーションした「15年間の継続積立+15年間の運用継続」の結果が示す通り、つみたて投資における最大の武器は、運用額の多寡以上に「投資期間(時間)」です。

たとえ現時点では少額であっても、早いうちから「投資の種」をまき、時間をかけて育てることで、複利の力を最大限に活用することにも繋がっていきます。

2026年という新年のスタートにあたり、まずは「無理のない金額」で、将来に向けた時間を味方につける一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考資料

マネー編集部NISA班