2. 日本の公的年金「2階建て構造」の基本を解説
日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2種類から成り立っており、一般的に「2階建て構造」と呼ばれています。
2.1 1階部分「国民年金」の仕組み
国民年金は、日本に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入する制度で、職業や国籍は問いません。
- 保険料：原則として全国民一律です。（※1）
- 老後の受給額：保険料を40年間納付し続けると、満額を受け取れます。（※2）
- 被保険者の区分：第1号から第3号までの3種類に分けられます。（※3）
※1 2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。
※2 2025年度の国民年金（老齢基礎年金）の満額は月額6万9308円です。
※3 第1号は自営業者や学生など、第2号は厚生年金加入者、第3号は第2号被保険者に扶養される配偶者が該当します。
2.2 2階部分「厚生年金」の仕組み
厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入する制度です。また、特定適用事業所（※4）で条件を満たすパートタイマーやアルバイトの方も加入対象となります。
- 保険料：収入額に応じて決定され、給与から天引きで納付します。（※5）
- 老後の受給額：加入していた期間や納付した保険料の総額によって、個人ごとに異なります。
- 被保険者の区分：第1号から第4号までの4種類に分類されます。（※6）
※4 厚生年金保険の被保険者数が常時51人以上の企業などが該当します。
※5 保険料は、標準報酬月額（上限65万円）と標準賞与額（上限150万円）に保険料率を乗じて算出されます。
※6 第1号は民間企業の会社員、第2号は国家公務員、第3号は地方公務員、第4号は私立学校の教職員です。
近年では、公的年金だけでは老後の資金に不安を感じる方も増えています。そのため、「個人年金保険」や「iDeCo（個人型確定拠出年金）」といった私的年金を活用し、公的年金に上乗せする「3階部分」として備える人も少なくありません。
