2025年12月、厚生労働省は「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を公表しました。

資料によると、公的年金被保険者数は令和6年度末現在で6757万人となっており、前年度末に比べて12万人(0.2%)増加しました。

一方で国民年金の第3号被保険者数は同時点で641万人となり、前年度末に比べて45万人(6.5%)減少しています。

また、厚生年金の平均受給額は前年の14万6429円を上回り、15万289円と初の15万円台となりました。 

本記事では2025年度の年金水準を振り返るとともに、最新資料からシニアの年金受給額をご紹介していきます。

1. 2025年度(6月支給分から)の年金を振り返る

2025年度の年金額は、前年度と比べて1.9%の増額となりました。

令和7年度の年金額の例2/6

令和7年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)

※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

「年金が増えている」と思うものの、1.9%を上回る勢いで物価上昇が進んでいるため、実質的には目減りと言えるでしょう。

実際、名目手取り賃金変動率※は+2.3%ですが、マクロ経済スライド調整が-0.4%かかり、年金の引上げ額は1.9%にとどまりました。

※2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたもの

では、厚生労働省から公表されたばかりの最新資料より、令和6年度末時点でのリアルな年金平均額を見ていきましょう。

2. 【厚生年金保険の最新データ】令和6年度末の平均金額はいくら?

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和6年度末時点での厚生年金の平均月額は「15万289円」でした。

2.1 厚生年金の平均額

  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円(14万6429円)
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円(16万6606円)
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円(10万7200円)

※国民年金部分を含む

()内は前年度の数字です。いずれも上昇していることがわかりますね。

厚生年金の受給額ごとの人数分布を見ることで、その割合も見ていきましょう。

2.2 厚生年金の受給額ごとの人数分布

  • 1万円未満: 4万3399人 
  • 1万円以上~2万円未満: 1万4137人 
  • 2万円以上~3万円未満: 3万5397人 
  • 3万円以上~4万円未満: 6万8210人 
  • 4万円以上~5万円未満: 7万6692人 
  • 5万円以上~6万円未満: 10万8447人 
  • 6万円以上~7万円未満: 31万5106人 
  • 7万円以上~8万円未満: 57万8950人 
  • 8万円以上~9万円未満: 80万2179人 
  • 9万円以上~10万円未満: 101万1457人 
  • 10万円以上~11万円未満: 111万2828人 
  • 11万円以上~12万円未満: 107万1485人 
  • 12万円以上~13万円未満: 97万9155人 
  • 13万円以上~14万円未満: 92万3506人 
  • 14万円以上~15万円未満: 92万9264人 
  • 15万円以上~16万円未満: 96万5035人 
  • 16万円以上~17万円未満: 100万1322人 
  • 17万円以上~18万円未満: 103万1951人 
  • 18万円以上~19万円未満: 102万6888人 
  • 19万円以上~20万円未満: 96万2615人 
  • 20万円以上~21万円未満: 85万3591人 
  • 21万円以上~22万円未満: 70万4633人 
  • 22万円以上~23万円未満: 52万3958人 
  • 23万円以上~24万円未満: 35万0004人 
  • 24万円以上~25万円未満: 23万0211人 
  • 25万円以上~26万円未満: 15万0796人 
  • 26万円以上~27万円未満: 9万4667人 
  • 27万円以上~28万円未満: 5万5083人 
  • 28万円以上~29万円未満: 3万0289人 
  • 29万円以上~30万円未満: 1万5158人 
  • 30万円以上~: 1万9283人

平均並みとなる「月額15万円以上」の厚生年金を受け取っている人の割合は、全体の「47.7%」のようです。

ただし、こちらは国民年金も含んだ金額である点に注意が必要です。

次章で国民年金受給額の実態に迫ります。

3. 【国民年金の最新データ】令和6年度末の平均金額はいくら?

厚生労働省の同資料から、国民年金の平均月額についても確認していきましょう。

3.1 国民年金の平均額

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円(5万7584円)
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円(5万9965円)
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円(5万5777円)

国民年金の平均月額は、5万7584円から5万9310円に上昇しました。

3.2 国民年金の受給額ごとの人数分布

  • 1万円未満: 5万1828人 
  • 1万円以上~2万円未満: 21万3583人 
  • 2万円以上~3万円未満: 68万4559人 
  • 3万円以上~4万円未満: 206万1539人 
  • 4万円以上~5万円未満: 388万0083人 
  • 5万円以上~6万円未満: 641万0228人 
  • 6万円以上~7万円未満: 1715万5059人 
  • 7万円以上~: 299万7738人

満額が6万円台で固定されていることから、厚生年金ほどの個人差はありません。満額に近い額を受け取っている人も多いことがうかがえます。

年金が少ない方は、年金を増やすために「付加保険料」や「繰下げ受給」などを検討するのもひとつですし、iDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険に加入する人もいます。

なお、年金が少ない方を支援するために「年金生活者支援給付金」という制度があるため、こうした公的制度をしっかりと知ることも大事ですね。

4. 年金が少ない方を支援する「年金生活者支援給付金」とは

年金収入とその他の所得が一定基準を下回る方は、「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。

年金生活者支援給付金制度5/6

年金生活者支援給付金制度について

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

4.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給要件とは

老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方となっています。

  • 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が基準額以下※2

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 収入と所得の合計額が上記の基準を超える場合でも、昭和31年4月2日以降生まれの方で90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方で90万6700円以下の方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される場合があります。

4.2 「老齢年金生活者支援給付金」給付基準額

年金生活者支援給付金の給付基準額6/6

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円

上記はあくまでも基準額であり、実際の給付額は、保険料納付済期間が40年間(480ヵ月)に満たない場合、その分が差し引かれるため留意しておきましょう。

給付金に該当する場合でも自動的に支給されるわけではなく、申請が必要です。

新たに対象となる方には、毎年9月に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されるため、見落とさないよう注意しましょう。

5. まとめにかえて

最新の年金受給額の情報が公表されました。資料からは平均受給額の上昇が見て取れます。

ただし、実際には年金の上昇率を上回る勢いで物価上昇が進んでいること、さらに年金には個人差が大きいことなどに注意が必要です。

記事をきっかけに年金に興味を持たれた方は、ぜひねんきんネットなどで目安額を確認してみましょう。

参考資料

太田 彩子