2025年は残り2週間ほどとなり、ご自身の将来について考えている方も多いのではないでしょうか。
老後の生活を支える公的年金ですが、「年金だけで生活できるのか」「仕組みが複雑で分かりにくい」といった不安を抱えている方も少なくないでしょう。
理想のセカンドライフは人それぞれで、必要な資金額も大きく変わってきます。
そのため、ご自身のライフスタイルや家計に合った、資金計画を立てておくことも大切です。
今回は「65歳以上のシニア世帯」における生活費や年金の受給額、貯蓄の平均について、公的な最新データをもとにわかりやすく解説します。
あくまでも平均額ではありますが、今のシニア世帯のお金事情を確認したうえで、ご自身の「老後の生活設計」の参考にしてみてはいかがでしょうか。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
1. 65歳以上・夫婦のみ無職世帯の生活費は月平均いくら?
総務省が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に、65歳以上の夫婦のみで構成される無職世帯の平均的な家計収支を確認してみましょう。
1.1 65歳以上・夫婦のみ無職世帯の家計収支(2024年平均)
収入の内訳:平均25万2818円
■(内訳)社会保障給付(主に年金):22万5182円
支出の内訳:平均28万6877円
■(内訳)消費支出:25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590円
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- (内訳)諸雑費:2万2125円
- (内訳)交際費:2万3888円
- (内訳)仕送り金:1040円
■(内訳)非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
月々の家計収支は赤字か黒字か
- 1カ月の赤字額:3万4058円
- エンゲル係数:29.8%
- 平均消費性向:115.3%
データによると、この夫婦世帯の家計は総収入25万2818円に対して総支出が28万6877円となっており、毎月3万4058円の赤字が発生している状況です。
収入の約9割は公的年金などの社会保障給付(22万5182円)で占められていますが、可処分所得のすべてを生活費に充てても不足していることが分かります(平均消費性向115.3%)。
このため、毎月の不足分は貯蓄などを取り崩して補っているのが実情と考えられます。
