イオン、営業・経常益とも4期連続増となり、通期は増収増益で着地 海外の利益構成比も徐々に拡大

2019年4月10日に行われた、イオン株式会社2019年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:イオン株式会社 執行役/環境・社会貢献・PR・IR担当 三宅香 氏

連結業績

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三宅香氏:連結業績の概況からご報告させていただきます。2018年度の連結業績につきましては、増収増益ではありますが、期初に公表いたしました予想値を下回る結果となりました。

営業収益は1.5パーセント増収の8兆5,182億円、営業利益は19億円増益の2,122億円、経常利益は13億円増益の2,151億円となりました。

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親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益・経常利益が想定を下回ったことに加え、減損損失がGMS事業、SM事業のほか、サービス・専門店事業におきましても、事業の立て直しに取り組んだ過程で増加しています。結果、前期に対して8億円減少の236億円となりました。

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セグメント別業績

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セグメント別に申し上げますと、GMS事業、SM事業、サービス・専門店事業の3セグメントが、想定を大きく下回っています。先週発表いたしました業績予想の修正理由で申し上げましたとおり、集中豪雨や台風、地震といった災害、暖冬といった外部要因に加え、とくに年度後半になるにつれ、消費マインドの冷え込みも感じられ、これらの状況に対して適切に対処できなかったことが、この結果の要因であると考えています。

とくに、サービス・専門店事業におきましては、このような外部環境への対処の遅れに加え、不振企業の立て直しの一環として滞留在庫の処分を積極的に進めたことにより、粗利率を大きく落とし、減益となりました。

しかしながら、第3四半期までに一定程度の処理を進めたこともあり、第4四半期は24億円の増益に転じることができています。このセグメントにつきましては、来期に向けてさらなる改革を推進してまいります。

一方で、総合金融事業、ディベロッパー事業、国際事業は、着実に増益を重ねています。総合金融事業におきましては、香港・タイ・マレーシアの現地上場子会社で、中高所得者を対象にした新規カードを発行。また、2017年度にフィリピンで開始しています中低所得者向けのオートローン事業をインドネシアでも開始するなど、各国で新規顧客の獲得を進めています。

ディベロッパー事業につきましては、イオンモールにおいて、中国・アセアンでのドミナント出店の進展に伴うブランディングメリットの享受が進み、海外事業が黒字化しています。

海外の小売事業である国際事業につきましては、イオンベトナムにおいて生鮮食品を強化したことにより、食品部門の売上が前期比で14パーセント増加するなどし、大幅な増収増益となりました。中国では、香港・広東が、アセアンではマレーシア・インドネシアが増益となり、結果、中国エリア・アセアンエリアの両方において増収増益となっています。

エリア別業績

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以上の結果を国内・海外の地域別に見てみますと、海外で生み出される営業利益の構成比が、前年同期の11パーセントから16.8パーセントへと拡大いたしました。とくに中国エリアにおきましては、前年度の15億円の赤字から、今期は29億円増益し、14億円の黒字に転換しています。

ダイエー

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ダイエーの状況でございますが、過年度に実行しましたGMS店舗の首都圏・京阪神エリア以外の店舗の再編後、SM事業として再成長を図るべく構造改革を進めてまいりました。通期で営業黒字化には至りませんでしたが、新規導入した発注システムの活用度向上による売価変更の削減や、トップバリュの拡販といった取り組みが浸透し、粗利益率が改善傾向にあります。

また、発注・会計・POSなどのシステム変更に伴う業務の効率化や、自社プロセスセンターで加工した商品の取り扱い拡大など、店舗作業の効率化の推進、また販促費の削減など、ローコスト運営が定着し、経費削減も進んでいます。

これらの諸施策の浸透により、この第4四半期は黒字化することができました。2019年度も施策を確実に定着させ、さらなる改善を図るとともに、新規出店や既存店活性化を加速させることで、2020年に控える近畿エリアでのSM統合のための地固めの1年にしたいと考えています。

連結業績予想

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続きまして、2019年度の取り組み方針について説明いたします。2019年度の連結業績予想につきましては、営業収益が前期比1パーセント増加の8兆6,000億円、営業利益が前期差117億円増の2,300億円、経常利益が前期差48億円増の2,200億円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期差13億円増の250億円を計画しています。

2019年度は、引き続き人件費や水道光熱費・建設コストの上昇は避けられず、加えて10月の消費増税と、小売事業を取り巻く外部環境はいっそう厳しくなることが想定されています。

また、不振事業の立て直しや整理につきましては、先ほどご説明しましたとおりです。一部の専門店事業においては、この第4四半期に増益という結果も出始めてはいますが、まだ全体では途上にあり、その立て直しや整理を引き続き推し進めてまいります。そのような状況を踏まえ、まずはこの目標値を着実に達成したいと考えています。

なお、本年度につきましても、中期経営方針に定めたさまざまな改革を実行していくにあたり、各セグメントに与える影響額の見極めが非常に難しいこともあり、セグメント別では計画の公表を差し控えさせていただきたいと思います。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

投資計画

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次に、投資計画につきましては、前年度並みの年間5,000億円を計画しています。その内容につきましては、2017年12月に発表しました中期方針に基づき、Eコマース・IT・物流など、インフラ投資への構成を高めた計画となっています。

IT投資につきましては、消費増税への対応といった必須の取り組み事項に加え、地域のSM統合のためのシステム投資、業務効率化のための投資なども進めてまいります。地域別では、成長市場である海外エリアへの投資を増やす計画となっています。

次なる成長に向けて 【SM改革】

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次に、中期経営方針に掲げる諸改革の進捗について、触れさせていただきます。SM改革につきましては、昨年10月に、全国6つの地域における統合の基本合意を発表いたしました。

中国・四国エリアにつきましては、マックスバリュ西日本・マルナカ・山陽マルナカの3社による経営統合体制が、3月1日よりすでにスタートしています。

また、東海・中部エリア、北海道エリアにおきましては、本日、統合に関する正式契約を締結いたしました。今後、各社の株主総会を経て、それぞれ今年の9月、来年の3月に統合いたします。

東京・中部エリアにおきましては、経営統合による投資余力の向上と、両社が培ってきた地域密着経営のノウハウの融合により、両社の主力出店エリアの中間にある空白地帯への出店を強化するなど、さらなる成長を目指してまいります。

北海道エリアにつきましては、食品・商品の開発から販売までを、北海道内で一貫して行う体制づくりをスタートいたしました。すでに2018年度にイオン北海道に開発担当を置き、事前の取り組みをスタートしています。また札幌圏内にて、開発商品の製造を担うプロセスセンターと、低温物流センターの新設を計画しています。これにより、合併と新規出店による物流キャパシティの拡大を図るとともに、リードタイムの削減や、生鮮品のさらなる品質向上を図ってまいります。

九州エリアにつきましては、当初の予定では、今回のタイミングで正式契約を締結する予定でしたが、統合後の企業価値を最大化するための検討を、もう少し継続すべきとのことになりました。統合方針そのものに変更はなく、当事会社間でさらに議論を深めたうえで、あらためてスケジュールを提示させていただきます。

その他のエリアにおきましても、近畿エリアではダイエーとKOHYOがそれぞれ、山陽マルナカとマックスバリュ西日本の近畿エリアの店舗を3月に引き受けるなど、統合に向けて着々と取り組みを進めています。

次なる成長に向けて 【GMS改革】

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GMS改革では、イオンリテールが「強い食と強い専門が集まる、真の総合小売業」となることを目指して準備を進めています。この3月には、来る分社化の前段階としての機構改革を実施いたしました。

「強い専門」を確立する専門事業部。これは「インナーカジュアル」「ホームコーディ」「キッズリパブリック」「グラムビューティーク」という4つの大型専門店と、その他、スポージアムやトラベルといった小型の専門店、および、新規専門店の集合体としての「スペシャリティストア」という5つから構成されています。

「強い専門性」を確立するための商販一体型組織の鍵の1つは、強い現場力の構築であり、そのために、各専門事業部に紐づくエリアマネージャーを約500名、この春に配置しています。このスライドの赤い箱のところが、エリアマネージャーの配置になります。

エリアマネージャーが店別の最適な品揃えを、その地域事業会社を持つ店舗と一緒になって作り上げ、ともに店舗の現場力の強化に貢献していきたいと考えています。この機構改革自体は3月からですが、例えば「グラムビューティーク」におきましては、2018年度の早い段階から、この体制に向けた理解・浸透を現場レベルで進めていました。

対応マナーの教育に加えて、専門知識や接客技術を強化するための人員配置をするなど、専門店としてのレベルアップを先行して進めており、「グラムビューティーク」の2018年度下期の既存店売上前年比は105.6パーセントと、会社全体の売上と比較しても、突出して伸びています。

この4つの大型専門店が、それぞれの商品特性および現状のレベルを踏まえながら、改革を進めている段階でございます。最終的な分社化に向け、課題はまだ残っていますが、今まで以上にお客さまのご支持をいただける専門店のかたちへ、この一年をかけて、さらに進化させてまいる所存でございます。

新たな執行体制

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中期方針に掲げる諸改革の実行スピードを今一度、加速させなければならないと考えています。本日登壇していますが、3月1日より、新たに3名の代表執行役副社長を配置しています。諸改革の早期かつ確実な実現に向けて、取り組んでまいりたいと思います。

サステナブル経営情報の開示推進①

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次に、サステナブル経営情報の開示状況について、ご報告いたします。先般発行いたしました、イオン統合報告書である『AEON Report 2018』が、環境省と一般財団法人地球・人間環境フォーラムが主催する表彰制度で、「第22回環境コミュニケーション大賞 環境報告書部門」の最高賞の1つである、「地球温暖化対策報告大賞」を受賞いたしました。

受賞にあたりましては、「トップメッセージから重点課題の取り組みまで一貫性があり、『イオン 脱炭素ビジョン2050』の策定とその中間目標をはじめ、環境に関する取り組みの目標と実績などが、わかりやすく的確にまとめられており、人権や労働慣行に関する記載もなされている」との評価をいただいています。また今回、イオンのESGに対する取り組みをシンプルにまとめた、『ESG BRAND BOOK 2018-2019』を初めて発行しています。

2つとも、日本語・英語版が当社のWebサイトに掲載されていますので、ぜひご覧いただきたく、お願い申し上げます。

サステナブル経営情報の開示推進②

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また1月には、前年度に引き続き2回目となります、サステナブル経営説明会を実施いたしました。多くの方々にご参加いただきましたが、当日の発表内容は、当社Webサイトでご覧いただけますので、こちらも確認いただければ幸いでございます。

配当予想

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最後に、配当予想につきましては、中間17円、期末17円、年間34円の普通配当と、中間1円、期末1円、年間2円の記念配当とさせていただきます。今年は「ジャスコ」誕生から50周年の節目の年となります。この節目の年に記念配当をさせていただくとともに、年間を通じて50周年のさまざまなセールスイベントを、グループ全体で盛り上げていくことで、お客さま、そして株主のみなさまの期待に応える50周年目の年にしたいと考えています。

イオンの基本理念

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イオンは「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」という基本理念の下、絶えず革新し続ける企業集団として、「お客さま第一」を実践すべく取り組んでいます。

今後のさらなる成長のため、現在、取り組んでいるさまざまな改革を、スピード感を持って実現させることで、お客さまの変化を先取りし、自分たち自身が変化していく1年にしたいと考えています。

グループ一丸となって取り組んでまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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