近年、電話を使った特殊詐欺の被害が後を絶ちません。
「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などがよく知られるところですが、その手口は日々多様化、巧妙化しています。
詐欺被害に遭わないためにも、最新の手口を具体的に知っておきたいところです。
本記事では、千葉県警察がホームページで公開中の、実際にあった犯人と被害者の会話を紹介します。
実際の手口を知り、被害防止に役立ててください。
また、記事中では万が一詐欺被害に遭ってしまった場合に請求できる「詐欺被害分配金」や2024年の全国における詐欺被害額についても紹介しています。
1. 【詐欺電話】警察を名乗る男から電話
詐欺電話がかかってきた!1/6
LIMO編集部作成
ここからは、実際にあった詐欺犯と被害者との会話を紹介します。
警察を名乗る犯人から被害者の女性に電話があったようです。
犯人「恐れ入ります。行徳警察生活安全課のナラオカと申します。」
被害者「はい」
犯人「〇〇さんのご自宅でお間違いないでしょうか?」
被害者「そうです。」
犯人「あっ、いきなりのご連絡で申し訳ないんですが、〇〇さんにお伺いしたいことがあって、あのー、今ですね、うちの署の方で銀行職員を2名逮捕しまして」
被害者「はい」
犯人「この二人がですね、〇〇さんのご自宅を狙っていたと言っているものですからね、ちょっと名前、あの確認を取っていただきたいんですけど」
自分が狙われていたといわれると、不安になって信じてしまう方もいるかもしれませんね。
しかし、不安につけこむのが犯人の狙いです。
2. 【詐欺電話】「逮捕した銀行職員が被害者の自宅を狙っていた」という犯人は…
具体的な名前を挙げる犯人2/6
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犯人と被害者の会話は続きます。
被害者「…はい」
犯人「あのー、サイトウヨシノリという38歳の郵便局の職員と」
被害者「はい」
犯人「ヤマダナオキという41歳の千葉銀行の職員ってご存じないですかね?」
被害者「えー、わかんないー、どこの支店ですか?」
犯人「えーと、これ市川市内なんですけれども、ちょっと支店とかはね、お伝えすることができないんですけど、あのー、窓口とかでですねこのくらいの年齢の人に話しかけられたりとかはないですかね。」
被害者「特にはないー、あのー名前ってどこにでもありそうな名前なんで」
犯人「あーはい」
被害者「郵便局さんでお世話になったのかなと思ったりもするんですけども」
犯人「あーそうですか。じゃあ分からないですかね」
被害者「わからないですねー」
被害者は不審に思っているようで、犯人の思惑どおりの反応をしなかったようです。
対する犯人は…
3. 【詐欺電話】犯人「家族にも聞いてもらえますか?」
犯人を撃退!3/6
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犯人はこのままでは被害者をだませないと思ったのか家族にも聞いてほしいと頼んだようです。
犯人「あー、そうですか。ちょっとご家族の方がいらっしゃったらですね、この名前知ってるかどうかちょっと聞いてもらえます?」
被害者「えっと、すいません、えーっと今お電話ってことなんですけども」
犯人「はいはい」
被害者「すいません、かけ直していいですか。どこにお電話」
犯人「あー、はいはい、分かりました。」
被害者「行徳警察ですよね?」
犯人「はい、はい」
被害者「あっ、教えてもらえる?」
電話断
被害者が「電話をかけ直す」ことを提案すると、犯人は「これはもうだませない」と思ったのか自ら電話を切ってしまいました。
この事例では、被害者が最初から話を信じなかったため、被害はなかったようです。
この方を見倣って、電話でよくわからない話をされたら、安易に信用しない姿勢を大切にしたいところですね。
4. 詐欺被害に遭ったお金が戻ってくる可能性も!「被害額分配金」について知っておこう
詐欺被害に遭ったら、振込先銀行と警察へ連絡4/6
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万が一、預金口座への振り込みによってお金を騙し取られてしまった場合、「被害額分配金」の支払いを受けられる可能性があります。
「被害額分配金」とは、振込先の預金口座残高を原資として、被害者に支払われるお金のことです。
振り込め詐欺など、犯人が指定した銀行口座への振り込みによってお金を騙し取られた人を対象に支払われます。
ただし、必ずしも被害額全額を返してもらえるわけではありません。
支払われる額は、犯人の指定した振込先口座の残高や被害者数により変動します。
また、分配金を受け取るには、振込先の口座が凍結され、銀行が「被害回復分配金の手続き」を始めたときに申請する必要があります。
だまし取られたお金を少しでも返還してもらうためにも、被害に気づいたら、すぐに振込先の金融機関と警察に連絡しましょう。
4.1 「被害額分配金」の請求方法と支払いまでの流れ
「被害額分配金」を受け取るまでの流れは、およそ以下のとおりです。
- 被害者から警察と振込先金融機関へ連絡
- 金融機関による事件の確認、口座の凍結
- 金融機関による当該口座等の権利消滅手続き
- 金融機関による被害者への支払い手続き開始
- 被害者による振込先金融機関での支払申請手続き
- 被害者へ「被害額分配金」が支払われる
手続きには90日以上かかります。
すぐには受け取れないことにも注意しましょう。
5. 令和6年の特殊詐欺による被害額と認知件数
令和6年の特殊詐欺による被害額は約718億円6/6
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警察庁によると令和6年(2024年1月~同年12月)に起きた特殊詐欺事件のうち、警察が認知した件数と被害額は以下のとおりでした。
- 認知件数:2万1043件
- 被害額:718億7727万5370円
1件あたり341万5733円だまし取られた計算になりますね。
また、被害件数上位の厳重注意地域は以下のとおりでした。
1位 東京 3494 件
2位 大阪 2644 件
3位 神奈川 1999 件
4位 埼玉 1586 件
5位 愛知 1469 件
人口の多い都市地域で特に被害が多発しているようです。
もちろん全国どこでも、誰もが被害に遭う可能性はあります。
万が一被害に遭った場合は、出来る限り速やかに振込先金融機関や警察に連絡しましょう。
参考資料
- 千葉県警察 電話de詐欺
- 千葉県警察 「1 警察官を名乗り「銀行職員2名を逮捕した。あなたのことを狙っていた。」(令和5年2月録音、行徳警察署提供)」「文章」
- 金融庁 「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」
- 一般社団法人全国銀行協会 「振り込め詐欺救済法とは」
- 警察庁 「令和6年中の情勢」
小野 温子