5. まとめにかえて
本記事では、総務省の最新データで「老後2000万円問題」を再計算し、生活費の不足分は夫婦で約1226万円、単身で約1001万円という試算を導き出しました。しかし、これはあくまで年金生活の平均的な生活費の不足分に過ぎません。
さらに、高額になりがちな介護費用（平均約540万円）や、予期せぬ大きな出費（緊急予備資金など）を考慮に入れると、「2000万円」という目標は、決して贅沢ではなく現実的な最低目標額であることがわかります。インフレによってお金の価値は常に変化するため、平均値に頼るのではなく、ご自身の生活スタイルや実現したい老後を具体的に描き、必要な金額を「自分事」として算出することが大切です。
これを機に、将来の安心感を高めるための資産形成の計画を練り直し、今から具体的な行動を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告（家計収支編）ー平成29年（2017年）平均速報結果の概要―」
- 総務省統計局「家計調査報告（家計収支編）ー2024年（令和6年）平均結果の概要ー」
- 金融庁「金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について」」
- 衆議院「第198回国会/質問の一覧・令和元年六月六日提出/質問第二一〇号」
- 衆議院「第198回国会/質問の一覧・令和元年六月十八日受領/答弁第二一〇号」
- 生命保険文化センター「2024（令和6）年度 生命保険に関する全国実態調査」
マネー編集部年金班
