3. 【年金のリアル】65歳以降の受給額はいくら?平均「月額14万円」の現実

老齢年金の原則的な受給開始年齢は65歳です。

ただし、繰上げ受給により60歳から受け取る人もいるため、還暦を迎えたあたりから「年金」に関心を持つ方も少なくありません。

ここからは、現代の60歳代の公的年金の支給状況について、厚生労働省年金局が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに見ていきます。

3.1 「厚生年金(第1号)」の平均年金月額をチェック

(※)厚生年金保険(第1号)の平均年金月額には基礎年金月額が含まれます。

  • 60歳:9万6492円
  • 61歳:10万317円
  • 62歳:6万3244円
  • 63歳:6万5313円
  • 64歳:8万1700円
  • 65歳:14万5876円
  • 66歳:14万8285円
  • 67歳:14万9205円
  • 68歳:14万7862円
  • 69歳:14万5960円

3.2 「国民年金」の平均年金月額をチェック

  • 60歳:4万3638円
  • 61歳:4万4663円
  • 62歳:4万3477円
  • 63歳:4万5035円
  • 64歳:4万6053円
  • 65歳:5万9599円
  • 66歳:5万9510円
  • 67歳:5万9475円
  • 68歳:5万9194円
  • 69歳:5万8972円

60歳代前半では、繰上げ受給(※1)を選択した人や、特別支給の老齢厚生年金(※2)の報酬比例部分のみを受給している人の年金額となります。

そのため、厚生年金・国民年金ともに、65歳以降の受給額よりも少なめになっています。

※1 繰上げ受給:老齢年金を60歳~64歳までで前倒しして受け取ること。繰上げた月数に応じて年金が減額(0.4%/月)され、一度決まった減額率は生涯変わりません。
※2 特別支給の老齢厚生年金:昭和60年の法改正により厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際、受給開始年齢を段階的に引き上げるために設けられた制度。年齢など一定条件を満たす場合に受け取ることができます。

65歳以降の平均的な年金月額は、厚生年金(国民年金部分を含む)であれば14万円台、国民年金のみであれば5万円台です。

たとえば、会社員の夫と専業主婦の妻という世帯で平均的な年金を受け取る場合、夫婦二人の年金月額はおおむね20万円前後となります。

ただし、これはあくまで「各年齢における平均月額」に過ぎず、実際の受給額は現役時代の加入状況や報酬によって個人差が生じます。

ご自身の年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認しておくことが大切です。

次章では、60歳代世帯の「生活費」について見ていきます。