6. 厚生年金・国民年金「60歳~90歳以上《全体》」の平均と個人差
60歳以上の受給権者全体における「平均額」と「個人差・男女差」についても見ていきます。
6.1 60歳~90歳以上《全体》平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
厚生年金の平均月額は全体で14万円台ですが、内訳を見ると男性は16万円台、女性は10万円台と、男女間で大きな開きがあります。
さらに、実際の受給額は幅広く、月2万円未満の人から30万円を超える人までおり、年金額には大きな個人差があることがわかります。
6.2 60歳~90歳以上《全体》平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金の平均受給額は、男性・女性ともに5万円台です。
また分布を見ると「6万円以上〜7万円未満」の月額ゾーンが最も多く、満額に近い年金を受け取れている人が多いこともうかがえます。
7. まとめにかえて
公的年金の平均受給額は、60歳以上の受給権者全体で見ると、厚生年金(国民年金含む)が平均約14.6万円、国民年金のみが平均約5.7万円です。
特に、厚生年金では男性の平均が約16.7万円、女性の平均が約10.7万円と、男女間で大きな差があることが現状です。
年金制度が「2階建て構造」であるため、基礎年金のみの国民年金加入者と、上乗せの厚生年金がある会社員等とでは、老後の生活資金の柱となる年金額に差が生じます。
国民年金加入者の方であれば、付加年金や国民年金基金への加入、そして年金を遅らせて受け取る繰下げ受給(最大84%増)の活用などを検討することで、受給額を増やす工夫が有効です。
私たちの多くにとって老後の生活の柱となるのは公的年金ですが、年金だけでゆとりある老後を送ることは難しいため、現役時代から「老後のお金の計画」を立て、NISAやiDeCoといった制度を活用した長期的な資産形成を始めることが非常に重要となります。
8. 【コラム】年金が最大84%増える「繰下げ受給」の増額イメージ《グラフで見てみる》
老齢年金の受給開始を「繰下げ受給」のしくみを使って後ろ倒しすると、繰下げた月数に応じて年金額が増えます。
繰下げ受給の増額率は、以下の計算式で表すことができます。
増額率(最大84%※1) = 0.7% × 65歳に達した月※2から繰下げ申出月の前月までの月数※3
※1 昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなるため増額率は最大で42%となる
※2 年齢の計算は「年齢計算に関する法律」に基づいて行われ、65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日になる
※3 65歳以後に年金を受け取る権利が発生した場合は、年金を受け取る権利が発生した月から繰下げ申出月の前月までの月数で計算される
繰下げタイミングの上限となる「75歳0か月」で受給した場合、増額率は84.0%です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金の保険料」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 南アルプス市「国民年金加入者が必要な届出」
マネー編集部年金班

