年の瀬が近づき、来年に向けてお金のことを見直す機会が増える時期ですね。「自分はいくら年金を受け取れるのだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。中には「月30万円もらえる人もいるの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。

今回は、厚生労働省の調査結果をもとに、公的年金(厚生年金+国民年金)の受給額の分布と、年金制度に関して広がりがちな誤解について、やさしく解説します。

1. 【国民年金+厚生年金】一度に「30万円(月額15万円)もらえる人」は何パーセントいる?

今のシニア世代が受け取る年金について見ていきましょう。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の男女全体の平均月額は「15万289円」です。なお、この金額には1階部分の国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれています。

受給額ごとの人数分布は以下のとおりです。

1.1 厚生年金の受給額ごとの受給権者数

〈全体〉平均年金月額:15万289円

〈男性〉平均年金月額:16万9967円
〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含む

1.2 割合(全体:1608万5696人)

  • 10万円未満の割合:19.0%
  • 10万円以上の割合:81.0%
  • 15万円以上の割合:49.8%
  • 20万円以上の割合:18.8%
  • 20万円未満の割合:81.2%
  • 30万円以上の割合:0.12%

厚生年金を月額15万円以上受給している人は、全体のおよそ半数です。公的年金制度は破綻しないしくみであるとはいえ、老後の生活資金を考える上で、年金受給額の現実的な水準を把握し、自助努力を含めた計画的な準備が重要です。