公的年金の金額は、物価や賃金の動きを踏まえ年度ごとに改定されます。2025年度分は前年より1.9%の引き上げにはなったものの、年金だけでゆとりある生活を送れるのかという不安は依然として根強いものです。
特に、老後の生活を支える年金額は、現役時代の働き方や加入期間によって大きく異なり、世代別の平均額や高齢者世帯の家計収支のデータを見ると、多くの世帯が毎月赤字を抱えているという厳しい現実も見えてきます。
さらに、2025年6月には年金制度改正法が成立し、短時間労働者の社会保険加入拡大や在職老齢年金の見直しなど、現役世代のキャリアプランやシニアの働き方に直結する大きな変更が次々と決まっています。
2025年を締めくくり、新たな年を迎えるにあたり、本記事で公的年金の最新情報、リアルな家計収支、そして働き方に関わる法改正を総点検しましょう。
未来の年金不安を解消するための具体的な行動を始めるきっかけとして、ぜひ最後までご覧ください。
1. 2025年度、公的年金は前年より1.9%の増額
公的年金は、毎年物価や賃金の変動を反映して見直されています。2025年度の年金額は、前年度より1.9％引き上げられています。
公表された年金額例を見ると、国民年金（老齢基礎年金）の満額は月額6万9308円となっています。
また、厚生年金は、モデルケース「厚生年金を受け取る会社員の夫＋国民年金を受け取る妻」の世帯の場合、月額23万2784円です。
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円（対前年度比＋1300円）
※厚生年金は「男性の平均的な収入（平均標準報酬（賞与含む月額換算）45万5000円）」で40年間就業した場合に受け取り始める年金（老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金（満額））の給付水準
