師走に入り、2025年も残すところあとわずかとなりました。 年末は慌ただしく過ぎていきますが、落ち着いて老後の生活について考えてみる良い機会かもしれません。 内閣府が発表した2025年版高齢社会白書によると、日本の高齢化率は過去最高を更新しており、今後も高齢者人口は増加していくと予測されています。

特に注目すべきは、高齢者の世帯構造の変化です。 核家族化や晩婚化、非婚化が進む現代において、高齢者の一人暮らし、いわゆる「おひとりさま世帯」の増加は顕著です。 人生100年時代と言われるなか、リタイア後の生活資金、特に「おひとりさま」の老後資金はどの程度準備が必要なのかは、多くの方にとって切実な関心事です。

本記事では、最新の調査データに基づき、高齢者の世帯構造の現状と、特に70歳代のおひとりさまの平均貯蓄額や年金受給額の実態を詳しく解説します。 さらに、還暦以降の人生における不安要素と、それに対する具体的な備えについても確認していきます。 この機会に、ご自身の老後資金計画を見直すきっかけとしてください。

1. 「高齢者の単身世帯」はどのくらいの割合なのか?

まずは厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」より、65歳以上がいる世帯の世帯構造をみてみましょう。

1.1 65歳以上がいる世帯の世帯構造

  • 単身世帯:32.7%
  • 夫婦のみ世帯:31.8%
  • 親と未婚の子のみの世帯:20.4%
  • 三世代世帯:6.3%
  • その他の世帯:8.8%

2024年より、最も多いのが「単身世帯」となりました。次に夫婦のみ世帯、そして親と未婚の子のみの世帯の順となっています。