3. 高齢者世帯の5割超が「生活が苦しい」と回答
厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の5割超が「生活が苦しい」と回答したことがわかっています。
- 大変苦しい:25.2%
- やや苦しい:30.6%
- 普通:40.1%
- ややゆとりがある:3.6%
- 大変ゆとりがある:0.6%
「大変苦しい」「やや苦しい」を合わせた、いわゆる「苦しい」と回答した人の割合は55.8%に達しています。
つまり、高齢者世帯では「普通」と答えた人よりも、生活に厳しさを感じている人のほうが多い状況となっています。
さらに同資料によると、収入のすべてが「公的年金・恩給」である高齢者世帯は43.4%となっています。
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
半数以上は年金以外で補填しているとも捉えられます。
4. まとめ:手取りを意識した老後設計を
2025年度の年金額は1.9%増額されましたが、年金からも容赦なく「税金・保険料」が天引きされるため、手取り額は額面よりも少なくなります。
年金から天引きされるのは、主に以下の5項目です。
- 所得税・復興特別所得税
- 住民税・森林環境税
- 介護保険料
- 国民健康保険料
- 後期高齢者医療保険料
実際、高齢者世帯の5割超が「生活が苦しい」と回答しており、年金に頼る世帯が半数近くを占める中で、手取りを意識した計画的な老後生活設計が不可欠です。
次回の年金支給日である12月15日を前に、ご自身の天引き額を確認し、老後資金計画を見直しましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 1.9%の引上げです」
- 江戸川区「介護保険料について」
- 江戸川区「国民健康保険料の計算方法」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
太田 彩子

