5. 高齢者世帯の43.4%が「年金だけで生活」している現実
厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の収入の実態を見ていきましょう。
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
総所得の100%を「公的年金・恩給」が占めている高齢者世帯は43.4%です。残りの56.6%の高齢者世帯は、公的年金や恩給以外の所得が必要な状況にあることがわかります。
老後、公的年金のみでやりくりすることの難しさがデータで示されています。
6. 【公的な制度】正しく理解が大前提
この記事では、年金生活者支援給付金について、その種類や対象者の要件、2025年度の具体的な給付額、請求手続きの流れを解説しました。
老齢・障害・遺族基礎年金を受給している方で、所得が一定の基準を下回る場合に、年金に上乗せして支給される大切な制度です。
本文でも触れたように、高齢者世帯の約半数が収入の100%を公的年金に頼っているというデータもあります。
将来のお金について考えるとき、資産運用なども選択肢の一つですが、まずは利用できる公的な制度を正しく理解しておくことが基本となります。
今回の情報が、ご自身の将来設計や、ご家族の生活を考える上での一助となれば幸いです。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「障害年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「遺族年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
中本 智恵
