公的年金制度はリタイア後の暮らしを支える大切な基盤ですが、実際に一人ひとりが受け取る金額には個人差や男女差があります。
とくに国民年金のみを受け取る場合、平均月額は5万円台。物価高が家計を直撃する今、公的年金だけで安心して暮らせるか不安を感じる方も多いでしょう。
こうした状況のなか、年金収入を含めた所得が一定基準以下の年金生活者を支えるために設けられたのが「年金生活者支援給付金」です。
この給付金は、年金に上乗せして支給されるもので、2025年度は前年度から2.7%の増額が適用されました。
この記事では、高齢者世帯と特に関わりの深い「老齢年金生活者支援給付金」に焦点を当て、支給の対象となるための3つの要件、2025年度の最新給付基準額、そして給付金を受け取るための請求手続きの方法を詳しく解説します。
また、2025年年金改正による「106万円の壁」撤廃に向けた動きにも触れ、働き方や年金制度の最新動向を整理します。
請求手続きを行わないともらえないこの給付金、ぜひご自身の受給資格をご確認ください。
1. 【基礎年金に上乗せで振込】年金生活者支援給付金って、どんな制度?
「年金生活者支援給付金」は、基礎年金の受給者が一定の所得要件などを満たす場合、年金額に上乗せして受け取ることができる給付金です。
受給中の年金種類に応じて、それぞれの給付金が設けられています。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
すでに基礎年金を受給中の人が、所得が下がったことなどにより新たに「年金生活者支援給付金」の対象となった場合、例年9月の第1営業日(2025は年9月1日)以降順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が緑色の封筒で届きます。
※老齢年金を繰上げ受給中の人には、別の様式で届きます。

なお、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた場合、電子申請による請求書の提出も可能です。
スマートフォン(またはPC)とマイナンバーカードにより電子申請で提出した場合、郵送での提出は不要となります。