長寿化が進み、公的年金に加えて「長く働くこと」が老後の生活を支える重要な柱となっています。特に2025年後半の今、物価高や生活費の増加が懸念される中、国や自治体から支給される公的なお金を「もらい損ねていないか」というチェックは非常に大切です。

公的な支援制度の多くは、支給要件を満たしていても自動的に振り込まれず、自分から「申請」しなければ受け取れない「申請主義」が原則です。

本記事では、老齢年金受給中のシニアが利用できる「加給年金」や「年金生活者支援給付金」といった年金に上乗せされるお金から、再就職や就労継続を支援する雇用保険関連の給付金まで、申請必須の制度5つを厳選して解説します。

さらに、2025年6月に成立した年金制度改正法のうち、働くシニアに直結する在職老齢年金の見直しなどの重要ポイントも紹介します。ご自身の老後資金計画の一環として、受け取れるはずのお金を確実に手に入れるための知識を身につけましょう。

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1. 「人生100年時代」だからこそ大事にしたい、仕事と年金

内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、65~69歳の男性の6割以上、女性の4割以上が就労中です。70歳代前半でも、男性の4割弱、女性の2割以上が仕事を続けています。

年齢を重ねるにつれて働く人の割合は少しずつ減少するものの、シニア全体で見ると就業率は徐々に高まっています。

一方で、60歳以降は給料が下がるケースが多く見られます。また、現役時代のように希望通りの仕事に就けなかったり、健康上の理由で働き続けることが難しくなったりすることもあるでしょう。

厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は、男性81.09年、女性87.13年。老齢年金世代である65歳以上のシニアにとって、「公的年金」と並んで「就労」は、長くなる老後の暮らしを支える重要な柱となっています。

次の章以降では、シニアを対象とする給付金や手当などのうち申請しないと受け取れない、「雇用保険関連のお金」と「公的年金に上乗せされるお金」について、整理してお伝えしていきます。